赤羽(Akabane)
今回はちょっぴりセンセーショナルな研究についてのお話です。
目次
中身が空っぽな格言に共感しやすい人はチャリティ・募金活動に消極的かも
参考は2018年にリンショーピング大学が発表した研究(#1)でして、舞台はスウェーデン。1015名(男性:509, 女性:506)を対象にこんな実験を行ったんですね。
実験デザイン
- 中身が空っぽな格言7つ、本物の格言7つの計14の格言を評価してもらう
- (1=全く意味がない〜6=とても意味深である)
- 他にも性別、年齢、最高学歴、宗教活動有無、政治の左か右寄りか、実験にかかった時間をデータにとった
- 自己申告で慈善活動(ボランティア、募金)への参加度を報告してもらった
「ホンモノと中身空っぽな格言ってどう違うの?」と言う点については、そこから教訓や暗示する内容がしっかり感じ取れるか?という基準で区別されたみたい。実際に使われた格言を一部引用すると、
隠された真意が抽象的な美を形づくる。[筆者訳]
教師はその扉を開けてくれるが、中へ踏み出すのは自分自身である。[筆者訳]
失敗しない人は新しいことに挑戦しようとしない人である。[筆者訳]
未来は求むる人の前に不合理な真実を明らかにする。[筆者訳]
このような感じ。どれが空っぽでどれがホンモノかはさておき、結果は次のようになりました。
結果
- 中身のない格言に共感しやすい人はボランティアや募金への協力が少なかった
- 逆に本物の格言に共感しやすい人はボランティアや募金に比較的協力的だった
- 女性、高齢、最高学歴が高い(大卒)、調査(アンケート)にかけた時間が長いほど、これら慈善活動に協力的だった
つまり、ちゃんとした格言を見抜く力があるほどボランティアにも積極的かもしれない、と。ただこの研究はデザインでいうとかなり信頼度は低め。格言の中身の判断も主観に頼らざるを得ないので、今回の結果はあくまで参考程度にとどめておくのが良さそうです。
赤羽(Akabane)
ちなみに格言クイズの正解は、1,4番目が空っぽ、2,3番目がホンモノだったみたいです。
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#1 Erlandsson A, Nilsson A, Tinghög G, Västfjäll D (2018) “Bullshit-sensitivity predicts prosocial behavior.“,PLoS ONE 13(7):