赤羽(Akabane)
目次
ピンクノイズの定義とは?現時点でどのくらい効果が実証されているのか?
ピンクノイズとは?
ピンクノイズは、よく「パワーが周波数に反比例する雑音」だと言われていて、同じ成分を持った光がピンクに見えるからこの名前らしいです。
で低い周波数ほどパワーが強くなるので、他に有名な「ホワイトノイズ」よりも「ザーッ」という感じで若干どっしりして聞こえます。具体例をYouTubeからお借りすると、
こんな感じ。このノイズが周囲の雑音を覆ってくれるので、他の環境音などが気にならなくなったり、作業効率を上げるBGMとしてもかなり使われている印象ですね。
またピンクノイズは、心身に心地よいとされる「1/fゆらぎ」の性質も持っていて、リラックス効果が高いんではないかとも考えられているんですね。
ピンクノイズの快眠・リラックス効果やいかに?
ではここから本題へ。ピンクノイズの効果は実際どこまで確認されているんでしょう?
この問題については、現状で分かっていることを箇条書き形式で見ていきましょう。
こうした研究結果から言えるのは、ピンクノイズで睡眠の質が改善したり、高齢者や軽度の認知障害患者の認知機能が改善する効果が見込めるかもしれない、ということ。
仕組みとしては、脳波がピンクノイズの波長と徐々にシンクロしていって(#3) 、その結果、睡眠が最も深いステージである「徐波睡眠」の質が高まったんだと考えられていますね。
ただご覧のように、このジャンルはまだまだ発展途上。検証した研究も少なければその規模も小さいです。
注意点・まとめ
では最後に今回の内容をまとめて見ていきましょう。
- ピンクノイズは「1/fゆらぎ」の性質をもった雑音で、雑音をマスキングしてくれたり、リラックス効果が謳われている
- 現時点でのエビデンスは少なくて弱いものの、ピンクノイズで深い眠りを高めたり、高齢者や軽度認知障害の患者で認知機能の改善が見られた
- その他効果や長期での影響は不明だが、試してみてもいいかも
こんな感じで押さえておくとよろしいかと思います。感覚的にはかなりリラックス効果が得られる感じはしますが、現時点でどんなところまで効果が見込めるのかは分かりません。
ちなみにピンクノイズには、他にも滝の落ちる音や心臓の鼓動、葉っぱのさざめきなんかも当てはまるみたい。1/fゆらぎの心地よさをフルに実感したい場合は、焚き火やロウソクの炎や川のせせらぎの映像付き動画、こだわりたい方はDVDで視覚と聴覚の両側からリラックスしてみても良さそうですね。
赤羽(Akabane)
視覚と聴覚にこだわりたい方におすすめ
動画でOKな方はこのあたりがおすすめ
参考文献&引用
#1 Nelly A. Papalambros, Giovanni Santostasi, Roneil G. Malkani, et al. Acoustic Enhancement of Sleep Slow Oscillations and Concomitant Memory Improvement in Older Adults. Front. Hum. Neurosci., 08 March 2017.
#2 Nelly A. Papalambros, Sandra Weintraub, Tammy Chen, et al. Acoustic enhancement of sleep slow oscillations in mild cognitive impairment. Annals of Clinical and Translational Neurology2019; 6(7): 1191–1201.
#3 Zhou J, Liu D, Li X, Ma J, Zhang J, Fang J. Pink noise: effect on complexity synchronization of brain activity and sleep consolidation. J Theor Biol. 2012 Aug 7;306:68-72.