赤羽(Akabane)
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夜寝る前のお風呂やシャワーは何時間前にどのくらいの温度で入ればいいのか?
早速ですが、この問題について非常に参考になる研究が発表されていたので、中身を覗いてみましょう。
寝る前のシャワーや湯舟の快眠効果を総まとめしたメタ分析
これは2019年にテキサス大学オースティン校が発表したメタ分析(#1)で、過去13件の研究を集めて、就寝前のお風呂の最適なタイミングと温度について調べたもの。
具体的には、シャワーを浴びたり、湯舟に浸かったりして体を温めることで、以下のような睡眠のパラメータが改善する条件を調べています。
- 入眠時間、中途覚醒、総睡眠時間、睡眠効率、徐波睡眠、主観的な睡眠の質
ちなみに徐波睡眠は、最も深い睡眠のステージのことで、最も体が休まっている段階です。
ではここから分かった、就寝前の最適なお風呂時間と温度を見ていきましょう。
- 摂氏40~42.5℃くらいの水温:主観的な睡眠の質や睡眠効率を高めるのに最適
- 寝る1~2時間前:約90分前くらいが最適なようで、入眠時間を10分近く早めるという
これなら心がければ簡単に実践できる内容ですね。お風呂の温度を40~42.5℃で設定してあげて、あとは1時間30分前くらいに済ませるだけ、と。
ちなみに寝る前のシャワーやお風呂で睡眠の質が高まるメカニズムも一応書いておきますと、
- 寝る少し前にシャワーを浴びたり湯舟に浸かったりする
- 血流が手や足など末端まで分散される
- 結果として深部体温が徐々に下がる
- 深部体温の低下はサーカディアンリズム(睡眠リズム)によって調整されて、深い眠りのためには下がっている必要がある
- 寝る前のシャワー・湯舟は間接的に睡眠リズムを調整する働きをする
こんな感じになっています。体の深部体温が睡眠リズムに非常に大切で、寝る前にお湯に浸かると血流で体温が末端まで分散される、と。
注意点・まとめ
ただし注意点として、このジャンル研究はまだ質が高いとは言えなくて、RCTもほとんどありませんでした。
それにベストな水温やお風呂のタイミングのそれぞれを調べた研究もまだ少ないので、今回の結果も、あくまで現時点で分かる基準として押さえておくとよろしいかと思います。
では以上を踏まえてポイントを復習します。
- 摂氏40~42.5℃くらいの水温:主観的な睡眠の質や睡眠効率を高めるのに最適
- 寝る1~2時間前:約90分前くらいが最適なようで、入眠時間を10分近く早めるという
寝る前のお風呂問題で困ったら、ひとまずこの2つを実践してみてはいかがでしょう?
赤羽(Akabane)
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#1 Haghayegh S, Khoshnevis S, Smolensky MH, Diller KR, Castriotta RJ. Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2019 Aug;46:124-135.