赤羽(Akabane)
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全25問!ひきこもり度をチェックする診断テスト「HQ-25」
ひきこもりは今や社会問題になっていて、日本で浸透してから今では先進国を中心に世界各国で広がりつつあります。
その一方で、ひきこもりに関する研究というのも少しずつ進んでいて、この記事ではひきこもり度をチェックするツールについて新しいデータを見ていきます。
ひきこもり度を診断するテスト「HQ-25」
2018年に九州大学が発表した研究(#1)では、全25問のひきこもり度診断ツール「HQ-25」を作成してその実用性を検証していました。
まずひきこもりの定義からハッキリさせておくと、以下のようになります。
合意の定義はまだ確立されていないが、典型的なひきこもりは、社会的な他者との交流や義務を避けて、実質社会から脱却している状態が少なくとも6ヶ月続いている場合である。(教育、雇用、友情など)[筆者訳]
では以上を踏まえて、25問を見てみましょう。
- 0…全く当てはまらない
- 1…あまり当てはまらない
- 2…どちらとも言えない
- 3…まあまあ当てはまる
- 4…とても当てはまる
- 私は他人を避ける
- 私はほとんどの時間を家で過ごす
- 重要なことについて話し合える間柄の人は本当にいない
- 私は新しい人に会うのが好きだ*
- 私は部屋に閉じこもっている
- 人は私を困らせる
- 私のことを理解しようとしてくれる人がいる*
- 他人と一緒に居ると居心地がよくない
- 私はほとんどの時間を一人で過ごす
- 個人的な意見や考えをシェアできる人が数人いる*
- 他人にみられるのが好きではない
- 私は滅多に人と個人的に会うことがない
- 私にとって集団に加わることは難しい
- 重要なことについて議論できる人はほとんどいない
- 社会的な交流を楽しんでいる*
- 私は社会のルールや価値観に沿って生きることができない
- 私の人生においてとても大切な人というのはいない
- 私は人と話すのを避けている
- 私は他人と話したり文面でも連絡をとることがほとんどない
- 人と一緒に居るよりも一人で居るほうがいい
- 私の問題について信頼して話せる人がいる*
- 私は一人で過ごすことは滅多にない
- 社会的な交流を楽しめない
- 私はほとんど全く他人と交流することがない
- 他人と一緒にいるほうがずっといい*
上記25問は大きく①社会的な交流への積極性、②社会からの孤立度、③メンタルや感情への周りからのサポートという3つの観点で構成されているようです。
採点方法は、「*」のマークがついている設問を逆さまで採点(2点→4点、5点→1点という感じ)、それ以外はそのままの得点で足していきます。
研究内では、399名(平均32歳)を対象にこの診断テストの有効性を検証していて、再テストなども含めて「HQ-25」の有効性が確認されたみたいです。彼らの診断結果をまとめたところ、平均の合計点は41.49点でした。ひとまずはこれより高いか?低いか?を基準にしてみるとよろしいかと思います。
ただし注意点として、今回の平均の合計点は日本の大学生やメンタルヘルスケアに通う患者を対象にしたものだったので、他の特徴を持った人が対象だとスコアも若干変動するかもしれません。また設問数も今後もう少し絞っていけるかも?とのことでした。
赤羽(Akabane)
参考文献&引用
#1 Teo AR, et al. Development and validation of the 25-item Hikikomori Questionnaire (HQ-25). Psychiatry Clin Neurosci. 2018 Oct;72(10):780-788.
※当記事はメンテナンス済みですが、2020年3月29日に公開された時点での内容となっておりますので、情報が古くなっている場合もあります。