赤羽(Akabane)
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【夜型の女子は要注意】学校の始業時間が朝早いと「社会的時差ボケ」で太りやすくなるらしい
早速ですが、この問題について最近出た面白い研究を覗いてみましょう。
早朝の学校は子どもの睡眠パターンを崩して肥満に繋がる?!
これは2019年にペンシルバニア大学が発表した研究(#1)で、804名のティーンエイジャーたち(平均13.2歳)を対象に、学校が早く始まるせいで起こる「社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)」が彼らにどんな影響を与えるか?を調べています。
「社会的時差ボケ」とは、学校や仕事など社会の都合で生じる時差ボケの事です。ここでは、対象の青少年たちが平日と比べて週末にどのくらい眠っているか?を基準に見ていて、当然、週末に平日よりガッツリ眠っている場合は、社会的時差ボケが起こってるな?と考えられるわけです。(いわゆる寝だめ)
するとこの結果、こんなことが分かりました。
- 社会的時差ボケが1時間広がるごとに女子生徒のBMIが0.45kg/㎡増えた
- ウエスト周りは1.19cm増えた
- 男子生徒にはこの傾向は有意に見られなかった
まとめると、特に女子生徒で、早朝に学校が始まることで時差ボケが広がるほど太りやすくなる傾向がみられたんですね。これは年ごろの子供たちには痛手ですね~。
また、生徒たちを「朝型か夜型か?」で分けるために、彼らにとって最適な起床時間を調査したところ、こんなことも分かりました。
- 夜型の女子生徒はBMIが0.16kg/㎡高かった
- ウエスト周りは0.58cm太かった
- 男子生徒にはこの傾向は有意に見られなかった
ここまでの結果を総まとめすると、学校で朝早かったりして自分の睡眠タイプ(夜型)とのギャップが広がるほど、女子生徒で特に太る傾向が見られたんですね。
ではどうしてこんなことが起きるのでしょう?メカニズムは「サーカディアンリズム(概日リズム)」の崩壊が考えられています。ここのアンバランスは代謝を狂わせて太りやすくしたり、ホルモンバランスも崩して食欲を暴走させたりすることが分かっているんですね。
この研究だけで、「男子は問題なし!」とは言い切れませんが、よりホルモンバランスの影響を受けやすい女性で悪影響が出やすい、というのは納得いく話かと思います。
注意点・まとめ
一方で注意点も挙げておくと、今回の研究はデザイン上因果関係は特定できません。その点データの質も低めであることは押さえておくと良さそうです。
ただ一応過去の研究結果も絡めて考えると、こんなことが分かっています。
これらもひっくるめると、早朝の学校が夜型の子どもたちにとって悪影響だというのはままあり得る話かと思います。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 早朝の学校は夜型の子どもたちの睡眠リズムを狂わせる
- 結果ホルモンバランスや代謝も狂って、特に女子で太る傾向が見られた
- 研究の質としては低いので、男子は本当に問題ないのか?など細かい部分は追試が必要
こんな感じでしょうか。こうしたデメリットも踏まえると、早朝の定時に大人数を一か所に集める学校や会社、こういった風習は時期に時代遅れになっていくのかもしれません。
赤羽(Akabane)
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#1 Jonathan A. Mitchell, Ariel Williamson, Alexander G. Fiks. Targeting Sleep Duration and Timing for Prevention of Adolescent Obesity. JAMA Pediatr. Published online September 16, 2019.
#2 Al Khatib HK, Harding SV, Darzi J, Pot GK. The effects of partial sleep deprivation on energy balance: a systematic review and meta-analysis. Eur J Clin Nutr. 2017 May;71(5):614-624.
#3 Serin Y. Acar Tek N. Effect of Circadian Rhythm on Metabolic Processes and the Regulation of Energy Balance. Ann Nutr Metab. 2019;74(4):322-330.
※当記事はメンテナンス済みですが、2019年10月9日に公開された時点での内容となっておりますので、情報が古くなっている場合もあります。