朝一番のミストサウナは日中の作業効率を上げる?
朝にシャワーを浴びて爽やかな朝を演出する「朝シャン」結構多くの方は毎日の日課にしているのではないでしょうか?私は夜にしかお風呂に入りませんが、さぞかし気持ちいいのでしょうね。
2015年の千葉大学の教授らの研究(#1)によると、朝のミストサウナは日中の作業効率を上げて、リラックス効果も期待できるかもしれないとのことです。まずは研究概要から見ていきましょう。
- 参加者は10人でみんな二十代の男性
- 参加者は用意された研究室で三日間を過ごす
- 実験開始の二時間前から喫煙、激しい運動、カフェインを含む飲み物等を控えてもらう
- 睡眠のサイクルは実験中一定を保つ
- グループを次のように分けて朝の7時頃に実践してもらう
- ミストサウナグループ(40℃のミストを浴びる)
- シャワーグループ(40℃のお湯を座って浴びる)
- 浴室で何もしないグループ(室温26℃の中座ってるだけ)
そして朝のお風呂タイムの後は、朝とお昼にもタスクを課して間に休憩を挟むという流れで進んでいったようです。ちなみにこのタスクというのは➀暗算をするものと②色ー文字識別タスクです。②は色を表す漢字が色つきで表示されてその色を答えるやつですね。こんな感じです。
赤 青 黄 緑
(緑 ピンク 赤 黄色!)
つまりお風呂の入り方で集中力を要するタスクの出来具合にどう差が出るのか見たということです。そして休憩とタスク中は脳のα波や心拍数などを測定したようです。これはお風呂の入り方によってその後のリラックス度にどう差がでるかを見るためですね。そして結果は次のようになりました。
- ミストサウナグループは他グループと比べて一日中心拍数は落ち着いていた
- 休憩中のα波はミストグループが一番強かった(=一番リラックスしている)
- お昼のタスクの時間ではミストサウナグループが一番α波が弱かった(=タスクへの集中を表す)
- ミストサウナグループの肌温度は他グループよりも一日通してずっと高かった
- 色ー文字タスクのミスはミストサウナグループが一番少なかった
- なお、血圧や心拍リズム、直腸温度には差が見られなかった模様
ミストサウナの圧勝ですね。α波といえば、リラックスや安静時に出ているといわれる脳波です。これが休憩時に出ていたことで続いてのタスクに集中して取り組めた、と教授らは推測しています。α波の変化を見てみても、朝一番のミストサウナが気持ちいいリラックスした朝を演出して日中の仕事に集中できるコンディションを作ると考えられそうです。
赤羽(Akabane)
参考文献&引用
# Soomin Lee, Hiroko Fujimura , Yoshihiro Shimomura,”Verification of impact of morning showering and mist sauna bathing on human physiological functions and work efficiency during the day“,International Journal of Biometeorology,Vol.59,No.9,pp1207-1212,2015.