赤羽(Akabane)
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心的外傷後ストレスに効果的な治療は「パソコン」一台でできる?!
その方法とは、ライティングセラピーと呼ばれる治療法でして、紙などに溜め込んでる気持ちや辛かったことなどを書き出して解放される、というものです。こうしたやり方は、他にも緊張や不安をほぐしてくれる効果もあることが分かっています。
不安や緊張を「紙」と「ペン」で解消!エクスプレッシブライティングとは?
信憑性の高い大規模な研究によると…
アムステルダム大学の教授らのメタ分析の研究(#1)によると、強いストレスを過去に背負っている心的外傷後ストレス障害の患者には、ネットを介したライティングセラピーがより効果的であることがわかったようです。この研究の概要は以下の通りです。
- 6つの関連論文を選出(5/6はRCT研究)
- 合計の参加者は633人(PTSDか急性ストレス障害患者)
- 追跡期間は6週間~1年間(=短期)
- 比較は次のようなグループで行われた
- ネットのライティングセラピーを行うグループ
- 従来の治療法(頻繁に会って長期的に行うものなど)をやるグループ
- 何の治療も施さないグループ
トラウマの内容は性的虐待やそうでないものなど様々だったようで、トラウマからの時間の経過は大体7か月~14年ほどでした。
研究の信憑性はなかなかですが、アジア圏の研究は少ない模様。追跡期間も比較的短めなので、あくまで短期的な効果として把握しておいたほうがよさそうです。結果はこんな感じになりました。
- PTSDの症状が軽くなった
- うつの症状も軽くなった
- こうした症状の軽減はセラピーの後最大1年間持続していた
ここから言えるのは、PTSDや急性ストレス障害の患者に、ネットを介したライティングセラピーに取り組んでもらうと、少なくとも症状に即効性の改善が見られる可能性は高そうだということ。ただし、気になるのは、1年より長い期間でライティングセラピーをやると効果は続くのか、というところですね。追跡期間を延ばした新しい研究に期待しましょう。
参考文献&引用
# Arnold A.P. van Emmerik, Albert Rijintjes, Jan H.Kamphuis”Writing Therapy for Posttraumatic Stress: A Meta-Analysis”,Psychother Psychosom,Vol.82,pp82-88,2013.