認知症予防にはカレーライス。カレー粉の香辛料ターメリックに含まれる「アレ」が大活躍!

カレーライスは認知症予防になる?!

何となくテレビを観ていたら「たけしの家庭の医学」がやっていて、「カレーライスには認知症予防効果があります」と仰るもので気になっていたところ、出典元の論文(#1)を一瞬出してくれたのでザっと覗いてみました。

カレーライスの一体何が認知症予防に効果的なのか?今回はこの部分をザックリ見ていこうと思います。

カレー粉に含まれる「クルクミン」

結論から言うと、その正体はカレー粉に含まれるクルクミンというポリフェノールの一種。香辛料であるターメリック(Turmeric)に多く含まれているもので、インド料理を中心に中東やアジアでもよく使われていたり。他に特徴を挙げますと、

  • インドの医療機関では何世紀にもわたって鎮痛剤や抗炎症剤として使われていた
  • 酸化ストレスを抑えて抗がん効果も見込める

と言った感じ。やはりスパイスの抗酸化効果はすさまじいですね。

数々の論文研究が示す「クルクミン」の能力

そしてクルクミンが豊富なカレーライスに関連する研究をザっと取り上げますと、

結果
  • インドとアメリカの70~79歳の高齢者を比較したところ、インドの高齢者はアルツハイマー病の発症率がアメリカと比べてなんと4.4倍も低かった(#2)
  • アジア人1010人を対象として、カレーの消費量と認知機能を比較した実験では、カレーをよく食べる(一か月1回以上)人々の認知機能が全く食べない人より高いことが判明(#3)
  • 認知症の原因になるアミロイドβを掃除するマクロファージを活性化させる効果がある(#4)
  • アルツハイマー病を患っているマウスに少量のクルクミンを与えると、何も与えてないマウスよりも脳のアミロイドβのレベルが40%減少した。プラークが溜まることでの脳ダメージも43%減少(#5)

全体的に認知機能のメンテナンス効果の報告が多め。その他にも、クルクミンは抗炎症薬としても優秀でして、アンチエイジング効果も見込めそうだというのもポイントです。

番組内の高齢者対象の実証実験の結果・・・

同番組では、カレー屋さんの高齢の店主さんを2人訪問して実際に検証実験をしていました。店主さんたちは週に二回は食べるとか、毎日賄いで自分のカレーを食べているとか・・。で、どうやって調査したのかというと、色を表す漢字と視覚で見える色がごちゃ混ぜになっているものがずらーっと並んだボードを渡され、それを漢字に関係なく見える色で答えていってその速さをみるというやつでした。

    黒 ・・・

これを左から順に「青」「黄色」「赤」「黒」「緑」・・・と答えていくわけです。すると、カレー屋店主のお二人は実年齢より20歳程脳の年齢が若いことが分かりました。

赤羽(Akabane)

まとめると、カレーが認知症に効く!というTVの紹介は可能性としてはありそうです。がしかしここでまとめた内容はあくまで観察研究なので、根拠としての信頼レベルは低め。また改めてクルクミンについては取り上げようと思います。

参考文献&引用

# たけしの家庭の医学のホームページ
https://www.asahi.co.jp/hospital/onair/171226.html(2017年12月26日アクセス)

#1 Shrikant Mishra, Kalpana Palanivelu ,”The effect of curcumin (turmeric)on Alzheimer’s disease: An overview “,Annals of Indian Academy of Neurology,Vol.11,No.1,pp13–19,2008.

#2 Ganguli M, Chandra V, Kamboh MI, Johnston JM, Dodge HH, Thelma BK, Juyal RC, Pandav R, Belle SH, DeKosky ST”Apolipoprotein E polymorphism and Alzheimer disease: The Indo-US Cross-National Dementia Study”,Arch Neurol,Vol.57,No.6,pp824-30,2000.

#3 Ng TP, Chiam PC, Lee T, Chua HC, Lim L, Kua EH.”Curry consumption and cognitive function in the elderly.”American Journal of Epidemiology, Vol.164,pp898–906,2006.

#4 Zhang L, Fiala M, Cashman J, Sayre J, Espinosa A, Mahanian M, et al. “Curcuminoids enhance amyloid -beta uptake by macrophages of Alzheimer’s disease patients.”,Journal of Alzheimers Disease,Vol.10,pp1–7,2006.

#5 Yang F, Lim GP, Begum AN, Ubeda OJ, Simmons MR, Ambegaokar SS, et al. “Curcumin inhibits formation of amyloid beta oligomers and fibrils, binds plaques, and reduces amyloid in vivo.” Journal of Biological Chemistry,Vol,280,No.5,pp892–901,2005.