筋トレ中のカロリー消費を高めたいなら低負荷で追い込んだ方がいいかもよ!という実験結果

筋トレ中のカロリー消費を高めたいなら低負荷で追い込んだ方がいいかもよ!という実験結果

赤羽(Akabane)

今回は「低負荷の筋トレの効果」についてのお話です。

筋トレ中のカロリー消費を高めたいなら低負荷で追い込んだ方がいいかもよ!という実験結果

既に今の科学の見解では、低負荷の筋トレでも数をこなせば筋肉は大きくなる!(ただし筋力アップには向かない)という感じになっています。

ではダイエットに焦点を当てて筋トレをする場合、どんなメニューでこなせばベストなんでしょう?この記事ではこういったテーマについてのデータを見ていきます。

筋トレ中の消費カロリーを高めたいなら低負荷で数をこなすほうがベター?

参考になるのが2020年にカンピナス大学が発表したクロスオーバー試験(#1)で、どうやら消費カロリーを少しでも高めたいなら低負荷で数をこなしたほうがいいかも?とのことでした。

この研究では11名の若い男性(平均22歳、筋トレ経験なし)を対象に、彼らをランダムに以下の3つのグループに分ける実験を行いました。

  • 低負荷筋トレ:1RMの30%の強度
  • 高負荷筋トレ:1RMの80%の強度
  • 筋トレをしない:マシンのシートに座って何もしない

トレーニングメニューはレッグエクステンションを3セットで、各セットはもう挙げられないところまで行った様子。(90秒のセット間インターバル)

そして参加者全員は72時間の間隔をあけて3つのグループを経験してもらい、それぞれの実験前後、トレーニング中にエネルギー消費や血液サンプルのデータを採取したようです。

するとこの実験の結果、こんなことがわかりました。

結果
  • 低負荷筋トレの方が高負荷筋トレよりも筋トレによるエネルギー消費は有意に大きかった
  • ただし全体のエネルギー消費には有意な差は見られなかった
  • 低負荷筋トレの方が有意に血中の乳酸が溜まっていて無酸素性エネルギーシステムが盛んに稼働していた

まとめると、低負荷筋トレをした場合で最もエネルギー消費が激しくて、おまけに血中の乳酸蓄積が多く、筋トレのような無酸素性の運動にまつわるシステムが活発に動いていたんですね。

ではどうして低負荷の方がカロリー消費に向いていたのか?低負荷と高負荷のボリュームを比べると、どうやら低負荷の方がかなりボリュームをこなしていたようです。(2301.4 ± 631.1 kg vs. 1828.1 ± 690.4 kg) つまり低負荷でたくさん数をこなすことで筋トレ中の消費エネルギーが高まった、と。これは納得のいく話かと思います。

そしてもう一つポイントとして、低負荷ではボリュームが増えたにも関わらず両者の主観的なキツさ(RPE)はそれ程変わらなかったみたい。ここから言えるのは、カロリー消費を第一目標にしたい場合は低負荷で数をこなした方が楽かも!ということです。

注意点・まとめ

ただし注意点として、今回の研究では若い男性のみを対象としていて、おまけに参加者の数も少ない点は押さえておいた方が良さそうです。つまり統計的なパワーも弱くて、どこまで一般化できる内容なのかもよくわからないということですね。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 筋トレで減量を目指すなら低負荷で数をこなすトレーニングのほうが消費カロリーが高まるかも
  • 今回の実験では1RMの30%の強度で行ったほうが80%の強度よりもエネルギー支出が大きかった
  • 結果として低負荷の方がたくさん数をこなしてはいたものの、主観的なキツさは高負荷と変わらないのかもしれない

こんな感じでしょうか。出来る限りたくさんカロリーを消費したい!という目的であれば、低負荷で追い込むのでもいいかもしれませんね。

赤羽(Akabane)

私は筋力やサイズアップ、瞬発力など色々な目的のトレーニングを混ぜているので、低負荷で追い込む筋トレはやらないかな…という感じです。筋トレの負荷に関するあれこれは以下もご覧ください。

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参考文献&引用

#1 Diego T. Brunelli, et al. Acute low- compared to high-load resistance training to failure results in greater energy expenditure during exercise in healthy young men. PLoS One. 2019; 14(11): e0224801.