「筋肥大には高負荷トレ」はもう古い?筋肉は低負荷トレでも高負荷と同じくらいデカくなる件。

低負荷 筋肥大 筋トレ

赤羽(Akabane)

今回は「筋肉を大きくするには高重量でやらないとダメだ!」って本当?というお話です。

俗説「筋肉デカくしたいなら高負荷扱わないとダメ!」って本当?

筋肉デカくしたいなら高負荷一択!

筋トレに関して昔から言われている説で、こんな主張があります。みんな言うものだから私も前まで信じきっておりましたが、実際のところはどうなのでしょう?この疑問について近年の科学的な見解を見てみましょう。

そんなことはない。低負荷でも同じくらい筋肥大は狙えるぞ!

この問題について参考になるのが、2017年に発表されたメタ分析(#1)で、『筋力アップ&筋肥大への適正:低負荷vs高負荷筋トレ!』みたいなテーマでした。

この研究は21の研究から630名の参加者を集めて、筋トレの負荷別の筋肥大効果をまとめたもので、各実験の期間は6週間~1年にわたるものまでありました。また負荷の定義が高負荷で15RM未満、低負荷で15RM以上、または1RMの60%以下かそれ以上で比較したようです。

ちなみにRMとはRepitition Maximum(挙上の限界)の略で、1RMと言えばギリギリ一回挙げられる重量を指します。今回は1RMの60%以上が「高負荷」扱いということで若干低いような気もしますが、結果は次の通りになりました。

結果
  • 高負荷のほうが筋力アップ度が高かった(35.3±4.3% vs 28.0±4.8%)
  • 筋肥大では、高負荷と低負荷で差はなかった(8.3±1.5% vs 7.0±1.2%)

まとめると「筋肉デカくしたいなら高負荷一択!」はバッサリ否定されました。ただ一点注意すべき点があって、今回の研究の大半が筋トレボリュームを揃えていないんですね。どれも「もう上がらない…」というところまで挙げさせたのだとか。つまり低負荷でも十分筋肥大は見込めるけれど、しっかりボリュームもこなしてこそ!という感じになりそうです。

因みに、こうした結果は同様に他のメタ分析(#2)でも観測されていたり、最近の筋トレ科学界の常識になりつつありますね。

赤羽(Akabane)

結論、筋肉をデカくしたいなら低負荷トレーニングで数をこなすという手もアリ!ただアスリートや筋力もアップさせたい方は高負荷をメインにやった方がよろしいかと思います。またケガをしやすい方は低負荷トレを中心に慣らしていくのが良さそうだなと個人的に思います。
「筋トレは結局ボリュームが命」のメカニズムはこれだ!「筋トレは結局ボリュームが命」のメカニズムはこれだ!【1RM 20% vs 40% vs 60% vs 80%】筋トレ強度選手権!同ボリュームで最も筋肉に効く強度は?

参考文献&引用

#1 Schoenfeld BJ, Grgic J, Ogborn D, Krieger JW,”Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis.“,J Strength Cond Res. 2017 Dec;31(12).

#2 Lixandrão ME, Ugrinowitsch C, Berton R, Vechin FC, Conceição MS, Damas F, Libardi CA, Roschel H,”Magnitude of Muscle Strength and Mass Adaptations Between High-Load Resistance Training Versus Low-Load Resistance Training Associated with Blood-Flow Restriction: A Systematic Review and Meta-Analysis.“,Sports Med. 2018 Feb;48(2):361-378.