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ミネラルの一角「マグネシウム」
ビタミンDと言えば当ブログでも非常に重要な栄養素として紹介している「太陽のビタミン」であります。近年では特に研究が進んでおりまして、
- 抗炎症効果が高く、アンチエイジングに効く
- 免疫細胞の活性化
- うつ病を改善する(うつ病患者で体内のビタミンD濃度が低い傾向も確認されている)
ザっと挙げてもこんな効果が報告されていたり。そんなビタミンDですが、最近の研究で“ある栄養素”の存在がカギを握っていることが分かりました。それはミネラルの一角「マグネシウム」です。
マグネシウムは海藻やナッツ類に豊富に含まれている栄養でして、600以上の酵素の働きをサポートする素敵で重要なアシスタントさん。つまり全身の酵素反応の最重要ポイントなんですね。主な役割をあげますと、
- 細胞や遺伝子の機能を保ったり、修復したり、メンテナンスができる
- 骨格筋、歯や骨などの形成
- 全身の代謝を高めて心臓や脳などの働きをサポート
こんな感じで、全身の酵素反応や代謝に関わる重要な栄養なんですね。ちなみにビタミンDかマグネシウムのどちらかが少ないと、骨の形成異常や心臓疾患、メタボにかかりやすくなると言われていたり。
マグネシウムはビタミンDと助け合いの関係?!
ということで、ここからが本題。2018年に発表されたレビュー研究(#1)で、ビタミンDを活かすマグネシウムの重要な役割が判明したので中身を大まかに見ていきます。
- ビタミンDは最終的に1.25OH2Dというフォームに変身しないと力を発揮できない
- 変身に必要な酵素を所々でマグネシウムが活性化させる!
- マグネシウムはビタミンDの引き立て役
上の画像でいうと水色の丸がついている部分、ここでマグネシウムがビタミンDを変身させるべく、間接的に「酵素」とコミュニケーションをとって2人の仲をサポートしています。そしてビタミンDが効率良く吸収されるようになるのですが、こうなるとマグネシウムにとっても嬉しいニュースが。
マグネシウムは、ビタミンDを活動形態にさせる酵素を手助けし、そうして変身したビタミンDがまたマグネシウムが腸で吸収されるのを助ける。[筆者訳](#1)
いい関係ですね。お互い助け合って生きています。結論としては、ビタミンDを効率よく吸収したいならマグネシウムも併せて摂ったほうがよさそう。
肝心の摂取量の目安については、成人なら310~420mgくらい(#2)が推奨されています。これを日本の食事摂取基準(#3)で見てみると、こちらも大体270~370mgとなっていて、毎日300〜350mg程摂っていれば丁度良い感じになっております。ただし、妊婦さんは少し多めに必要なようですのでその点だけご注意を。
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参考文献&引用
#1 Anne Marie Uwitonze, Mohammed S. Razzaque,”Role of Magnesium in Vitamin D Activation and Function“,The Journal of the American Osteopathic Association,Vol.118,pp181-189,2018.
#2 Institute of Medicine “Dietary Reference Intakes for Calcium, phosphorus, Magnesium, Vitamin D and Fluoride. Washington, DC:“,National Academy Press,2010.
#3 健康長寿ネット「マグネシウムの働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-mg.html「2018年6月5日アクセス」