オフィスは要らない?今すぐできるリモートワークで仕事効率と社員満足度を上げる方法。

テレワーク

赤羽(Akabane)

今回はオフィスワークという働き方について。この未だに主流である働き方がどう非効率なのか、またその他デメリットも含めてザっと書いていこうと思う次第であります。

主流のオフィスワークは非効率?!

先に参考文献を明記しておくと、以下の2冊です。

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オフィスという一か所に社員を集める

まずはこれ。当たり前になりすぎて疑問にすら思わないポイントですが、わざわざ皆同じ場所に集まって仕事をするのは何故なのでしょう?もちろん職種によっては出社する必要がある場合もありましょうが、全員が通勤時間を費やしてまで会社に来る意味はなさそうです。

逆にデメリットを考えると、まず雪や嵐なんかで電車が止まった時。交通手段が絶たれればそれだけ社員の時間ロスになります。後は地味に各々にかかる交通費手当もかさみます。

IT用語には「SPOF(Single Point of Failure)」というものがあります。直訳すると「単一障害点」という意味ですが、これは簡単に言うと、

  • ネット上に構築したシステムにおいて、その中のある部分が故障するとシステム全体が止まってしまうような場所

のことで、つまり弱点みたいな箇所を意味します。例えば、電源なんかはSPOFの良い例ですね。

参考図書である『強いチームはオフィスを捨てる-37シグナルズが考える「働き方革命」-』によると、社員全員をオフィスという一か所に集めることは会社にとってのSPOFであるとのこと。大した意味はないのにオフィス出勤を強いているとしたら、それはただのリスクでしかないんですね。

通勤は殆んど時間の無駄

これは非常に分かり易いかと思います。例えば出勤に電車利用で片道1時間かかるとすると、往復で2時間かかります。これを週に5日繰り返すと、一週間で10時間です。そしてこれを1か月にするとおよそ40時間になります。片道1時間かけて通勤している人は、1か月にして約40時間も通勤に費やしているのです。この時間をただSNSを見たりするのに使ってたら・・と思うとゾッとしますね。

そして次に、TEDでも数々の名スピーチを残しているデューク大学の心理学、行動経済学専攻のダン・アリエリー教授によると、朝起きてからの二時間ほどが最も生産性の高い時間だそうです。

この時間の多くはきっと電車に揺られながら、それかメールやSNSのチェックに費やされるんでしょう。一体何千万人の貴重な時間が毎日無為にされているんでしょうか…。

通勤は殆んどストレスしかなく体に悪い

ちなみに、ここでは通勤を全面的に批判しているわけではありません。一駅ほどの距離を散歩しながら通勤している人もいるでしょうし、そういった場合はむしろ健康的だと言えます。ただ、日本国内で、特に都心部やその周辺で主流となっている電車やバスなどの公共交通手段を利用した通勤において、健康面に問題があるようです。

その通勤の健康面に関して、BBC Newsサイトに掲載された面白い研究結果(#1)があります。これは125人の通勤者と訓練中の警官を被験者として、心拍数と血圧を測ったもので、結果は、

  • 通勤者のほうがどちらも高かった。

ということに。これは通勤者のほうが訓練中の警官よりも高ストレスに晒されている可能性を示唆しています。また補足として、

通勤者は彼らの状況をコントロールできないので、その分ストレスがよりひどくなる。[筆者訳](#1)

とも述べられておりました。

特に満員電車なんかでは、身動きもとれず、目的地に着くまではじっとストレスに耐えるしかありません。せいぜいイヤホンで不快な音を遮断できるくらいでしょうか。

強いチームはオフィスを捨てる!

ということでここからはザっと本の内容を共有です。この本の著者はアメリカのソフトウェア会社である37シグナルズのCEO。この会社では全社体制でリモートワークをしており、世界各国から優秀な人材を集めているようです。そして僅か数十人という少数精鋭でありながら、世界各地に数百万人の顧客を抱えているという何ともすごい会社。

そんな彼らが主張するリモートワークの良いところをザっと挙げますと、

結果
  • 仕事の出来がちゃんと評価されるようになる
  • 好きな環境で仕事ができる
  • 家族と過ごす時間が増える

この辺りが肝みたい。リモートだと毎日顔を合わせることがなくなって、変な感情移入やひいきがなくなるんだとか。また通勤のストレスもなくなってある程度自由に仕事ができるようになりますね。そして一番大事なのが家族との時間。一番大切な人たちと十分な時間を過ごせずに、大して顔も合わせたくない人たちと毎日何時間も顔を合わせている状況ってやっぱり嫌ですからね..。

考え得るリモートワークのデメリット

最後にリモートワークのデメリットをズラッと並べてみます。

結果
  • コミュニケーション不足
  • セキュリティ面の問題
  • 会社によって微調整が必要

特にこの辺りが問題になることが多いようです。コミュニケーション不足なんて真っ先に持ち上がる話題ではないかと。

ではどうやってこうした問題点は解決できるのでしょう?現状できることを挙げると、

  • コミュニケーション不足→TV電話会議、月1でも顔合わせで話し合いの場を設ける
  • セキュリティ面の問題→HDの暗号化、暗号化通信、二段階認証、自動ログイン使わない
  • 会社によって微調整が必要→?

こんな感じでしょうか。セキュリティ面の対策は実際に37シグナルズが行っている施策の引用です。最後の問題は実際にやってみないとわからないんですが、食わず嫌いでリモートを試さないというのも少々勿体ない気もしたり。

37シグナルズのCEOらも次のように言っています。

最初は週2日だけをリモートにして、残りの3日はオフィスで働くようにしてもいいだろう。もしもうまくいったら、それを逆にする。週3日がリモートで、週2日がオフィス勤務だ。それで問題なさそうなら、週の全部をリモートワークにしてしまえばいい。

赤羽(Akabane)

リモートは上手くいけば会社としても経費削減になりますし、社員の人生満足度もアップするんではないかと。全社で一斉に試すよりは、まず少数で試してリモート希望の社員だけでも適用できれば面白んではないでしょうか。

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参考文献&引用

# ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン著、高橋璃子訳『強いチームはオフィスを捨てる-37シグナルズが考える「働き方革命」-』早川書房、2014年。

# BBC NEWS「Commuters ‘suffer extreme stress’」
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/4052861.stm# (2018年1月22日アクセス)

# TED TALKS Dan Ariely(ダン・アリエリー)
https://www.ted.com/talks/dan_ariely_asks_are_we_in_control_of_our_own_decisions?language=ja(2018年1月22日アクセス)