徹夜は非効率!あなたは酔っ払ったまま勉強や仕事をしますか?

酩酊状態の視界

ずっと起きてるとほろ酔いになる?!

オフィスワーカーに徹夜仕事はつきもの。「今日も終電だな..」時計をチラッと眺めながら、残った仕事を片付けます。

ということで今回は徹夜について。科学雑誌『Nature』に掲載された研究(#1)によると、人間の脳は長時間労働できるように設計されておらず、起床してから17時間経過するとそれはほろ酔いの状態と同じであるとされています。

また24時間経過で酩酊状態と同じになり、もうまともに思考ができないレベルになるのだとか。もう少し詳しく覗いてみると、

  • 40名の参加者を2つのグループ*に分けた
1. 28時間続けて起きててもらう(朝8時から翌昼12時まで)
2. 30分毎に10~15gのアルコールを摂取、血中アルコール濃度が0.10gになるまでやってもらう(こちらも朝8時からスタート)

そして両方で30分毎に認知機能のパフォーマンスを測り、時間の経過とアルコール濃度の増加を比べて観察していったようです。測定には手の反応速度をテストする方法(hand-eye coordination)が使われたとのこと。以上を踏まえて結果は次のようになりました。

結果
  • 起床から17時間経過時のパフォーマンス偏差は、血中アルコール濃度が0.05%の時に等しかった
  • 24時間経過時のパフォーマンスに関しては、血中アルコール濃度0.10%に等しかった

道路交通法によると、血液1mlにつき0.3mgまたは呼気1Lにつき0.15mg以上、アルコールを身体に保有した状態で運転することを酒気帯び運転といいます。 (#2)

つまり起床から17時間経過時には丁度「血液1mlにつき0.3mg」の状態なので、日本の道路交通法で規定されている「酒気帯び運転」の基準値を超えていることになります

ちなみに血中アルコール濃度0.10%は酩酊状態と同じみたいです。(#3)もしかすると、長時間起き続けると脳の思考力は酔っぱらいと同レベルまで低下しているのかもしれません。

赤羽(Akabane)

まとめると「徹夜で勉強!」や「持ち帰り残業・・」は非効率な可能性があります。睡眠の重要性は他にもいろいろな観点から明らかになっていますので、翌朝起きてダルさを感じないくらい質と量が揃った睡眠を取りましょう。まず具体的なおススメ睡眠時間は以下が参考になるかと思います。

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参考文献&引用

#1 Drew Dawson,Kathryn Reid, “Fatigue, alcohol and performance impairment“Nature,Vol .388,pp235,1997.

#2 e-ヘルスネットHP
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-064.html(2018年1月24日アクセス)

#3 キリンHP「血中アルコール濃度と酔いの症状」
http://www.kirin.co.jp/csv/arp/fundamental/blood.html(2018年1月24日アクセス)