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イソップ童話「北風と太陽」の教訓を脳科学やらで分析してみた。

北風と太陽

イソップ童話「北風と太陽」の物語

 北風と太陽がどちらが強いかで言い争いをした。道行く人の服を脱がせたほうを勝ちにすることにして、北風から始めた。強く吹きつけたところ、男がしっかりと着物を押さえるので、北風は一層勢いを強めた。男はしかし、寒さに参れば参るほど重ねて服を着こむばかりで、北風もついに疲れ果て、太陽に番を譲った。
太陽は、はじめ穏やかに照りつけたが、男が余分の着物を脱ぐのを見ながら、だんだん熱を強めていくと、男はついに暑さに耐えかねて、傍に川の流れるのを幸い、素っ裸になるや、水浴びをしにとんで行った。

この物語からわかる教訓としては、強制的にやらせるよりも自発的にやりたいと思わせるほうがいいということ。今回はこの教訓についてちょっと考えていこうと思います。

物語の教訓を分析!

まず、参考図書「脳が目覚めるたった1つの習慣」の内容で、”快楽”をもたらす神経細胞物質として名高いドーパミンの観点から説明していきましょう。このドーパミンが分泌される仕組みは、以下のようになっています。

ドーパミン分泌までの大まかな流れ
  • 何かイベントが起こるとまず五感で感知する
  • 感情を司る脳のパーツ「偏桃体」が好き/嫌いでイベントを判別
  • 好きと判別されると、ドーパミンが分泌される

つまり脳の偏桃体という部位が感情的にイベントの印象を振り分けていて、そこの反応が良ければドーパミンが分泌されるという流れですね。一方で嫌いになった場合は、言うまでもなくやる気スイッチはOFFのままで、強いストレスを感じるとストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」が副腎から分泌されます。

ここまでのポイントをまとめると、

  • 好奇心や興味を持って積極的に何かに取り組もうとするときにドーパミンが分泌されて、やる気が出てくる
  • 嫌々何かに取り組もうとするとやる気スイッチはOFFに、ストレスを感じてしまうことも

という感じ。ちなみにコルチゾールは慢性的に分泌されると体脂肪が燃えにくくなったり、脳の記憶に関する部位が委縮したり、といいことがありません。日頃からストレスを感じやすい方は気を付けたほうがよろしいかと。

ということで、一旦ここで北風と太陽の物語に立ち返りますと、

  • 北風が強く吹き付けて無理やり男のコートを脱がせようとした=嫌いの反応。拒否反応が出て、行動するとしても嫌々やる。
  • 太陽がまずは優しく照り付けて男に「暑い・・コートを脱ぎたい!」と思わせるように導く=好きの反応。自ら率先して行動を起こす。積極性と好奇心が伴うことも。

このようなまとめになりそうです。要はドーパミン分泌の観点からいっても、太陽のように自発的に何かをやらせるほうが吉!だと考えられるんですね。

育児・教育に「北風と太陽」の教訓を当てはめると?

最後にこれを育児や学校教育に当てはめてみます。よく見かける光景ですが、

  • 参考書の山を積み上げて「やりなさい!」と押し付ける
  • 生徒に教えるのに黒板の板書を写させるだけ、みたいな授業をする
  • 居眠りをしている生徒に「廊下に立ってなさい!」と怒鳴りつける

このような状況で子どもが勉強をやりたがらないのは、大人の責任というもの。子どもが楽しく学べる環境が整ってないですし、これでは一向にドーパミン分泌が勉強と結びつかないからです。

教育の話で言うと、過度に人を叱ったりして強制的にやらせたりするやり方は良くないということが分かっています。例えば参考図書『〈勝負脳〉の鍛え方』によると、しょっちゅう怒られたり叱られたりしていると、脳は苦しくなって、次第に自分自身を守る形で叱ってくる人の話を受け流すようになってしまうのだとか。これは人間の自己保存の欲求、本能の観点から説明がつきます。簡単に言うと、自分を守りたい、正当化したいという欲求の事ですね。

赤羽(Akabane)

ということで雑な分析でしたが、やはり他人に無理やり何かをやらせるのはお互い損だという事が言えそう。ぱっと思いつく具体的なテクニックでは「BYAF法」あたりをお勧めしておきます(笑)

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参考文献&引用

# 瀧靖之 著『脳が目覚めるたった1つの習慣』かんき出版、2016。

# 中務哲郎 訳『イソップ寓話集』岩波文庫、1999。

# 林成之 著『〈勝負脳〉の鍛え方』講談社現代新書、2006。