「森林浴が健康にいい」はフィトンチッドのおかげだった?!

2019年6月15日バイオフィリア, 考察編

「フィトンチッド」とは?

ヒノキ フィトンチッド 森林浴
SnapwireSnaps / Pixabay

今回は「森林浴の健康効果ってフィトンチッドのおかげでは?」というお話です。
 
 
ではまず「フィトンチッドって何?」という部分から。ここは岐阜県森林研究所(#2)の説明を借りましょう。
 

フィトンチッドとはもともとロシア語からきており、フィトンとは「植物」、チッドとは「他の生物を殺す能力を有する」を意味しており、「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」と言うような意味になります。
フィトンチッドとは植物から発散されるテルペン類等の揮発性物質であり、植物はその生命を維持するため、また自らの成長を促すために、フィトンチッドを幹や葉から大気中に放出しています(森林気相現象)。

 
イメージは、森独特のあの落ち着く匂いを想像してもらえるとわかりやすいと思います。これが我々の体にリラックス効果をもたらしているかもしれない、と。

フィトンチッドの効能を調べた論文研究によると…

森林浴 フィトンチッド 健康効果 

では本題に入ります。「実際にフィトンチッドの効果ってどうなの?」というところで、千葉大学と森林研究・整備機構の研究(#1)が参考になります。
 
 
これは12人の健康な男性(37~60歳)を対象にした実験で、彼らを都会のホテルに三泊させるという面白いもの。で夜はヒノキアロマを気化させたものを焚いてもらうんですね。
 
 
その間、尿サンプルはステイ中毎日、血液サンプルは最終日に採られました。おまけにフィトンチッドの空気中濃度も逐一測定したみたい。
 
 
ではこの結果はどうだったのか?というと、

 

  • 免疫細胞(NK細胞)やこの活動に関わる物質が活発になった
  • 一部のリンパ球(T細胞)の割合が下がった
  • 尿中のアドレナリン、ノルアドレナリンの濃度が下がった

 

これらは森林浴で得られる効果と同じで、ここからフィトンチッドが森林浴の健康効果に関係している!ということが言えそうです。
 
 
ただ被験者が男性のみだし、そもそも人数が少なかったりする点は実験としての課題点でしょうか。そのため、フィトンチッドがどのくらいの割合で森林浴の健康効果に寄与しているのか?など詳しい中身はハッキリとわかりません。

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赤羽(Akabane)

私もヒノキアロマは愛用していて、たまに作業中に焚くことがあります。匂いだけでもかなり落ち着くので、ストレス対策として取り入れるのは大アリかと思います。

 

参考文献&引用

#1 Q. LI, M. KOBAYASHI, Y WAKAYAMA, H. INAGAKI, M. KATSUMATA,Y HIRATA, K. HIRATA, T. SHIMIZU, T. KAWADA,J. PARK T. OHIRA,T. KAGAWA Y MIYAZAK,”Effect Of Phytoncide From Trees On Human Natural Killer Cell Function“,INTERNATIONAL JOURNAL OF IMMUNOPATHOLOGY AND PHARMACOLOGY,Vol.22,No.4,pp951-959,2009.

# 国立研究開発法人 森林研究・設備機構のHPは
https://www.ffpri.affrc.go.jp/(2018年2月17日アクセス)

# 岐阜県森林研究所「フィトンチッドと森林浴について」
http://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/rd/rinsan/9811gr.html (2018年2月17日アクセス)