「森林浴が健康にいい」はフィトンチッドのおかげだった?!

2019年4月1日バイオフィリア, 考察編

 

❝フィトンチッド❞とは?

ヒノキ フィトンチッド 森林浴
SnapwireSnaps / Pixabay

ここは岐阜県森林研究所(#2)の説明を借りましょう。

フィトンチッドとはもともとロシア語からきており、フィトンとは「植物」、チッドとは「他の生物を殺す能力を有する」を意味しており、「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」と言うような意味になります。
フィトンチッドとは植物から発散されるテルペン類等の揮発性物質であり、植物はその生命を維持するため、また自らの成長を促すために、フィトンチッドを幹や葉から大気中に放出しています(森林気相現象)。

森のあの独特の心地よい香りを想像してもらえるとわかりやすいと思います。

 

 

グッドナイト27000


 

 

フィトンチッドの効能を調べた論文研究によると…

森林浴 フィトンチッド 健康効果 

まず、森林浴の体への良い効果については別の記事で挙げている通りです。

[blogcard url=”http://nali-fuli.net/shinrinyoku-forest-bathing-relax/”]

その上で、森林浴の何が体に良いのかを調べた研究があります。千葉大学と森林研究・整備機構の研究(#1)ではその原因を上で紹介した「フィトンチッド」にあるとして次のような実験を行ったようです。

  • 12人の健康体の男性、37~60歳が対象
  • 分析の結果に影響するような状態の被験者はいなかった
  • 都会のホテルに三泊してもらった
  • 夜間はヒノキアロマを気化させたものを焚いてもらう
  • 尿サンプルはステイ中毎日、血液サンプルは最終日に採られる
  • フィトンチッドの空気中濃度も測定された

 

研究チームはこの研究の前段階にも幾つか研究を行っていて、その結果森林浴で免疫細胞(NK細胞)が増えて活性化したという報告が上がっています。またこの効果は森林浴後7日間持続したようです。これを都会のホテルでヒノキアロマを焚くことで再現できないか、という実験ですね。それでは研究の結果を見てみましょう。

  • 免疫細胞(NK細胞)やこの活動に関わる物質が活発になった
  • 一部のリンパ球(T細胞)の割合が下がった
  • 尿中のアドレナリン、ノルアドレナリンの濃度が下がった

 

つまり森林浴で得られたものとほぼ同じ効果が得られたということになります。別記事で紹介してあるメタ分析の論文なんかと併せて考えると「フィトンチッドが森林浴の健康効果の一つの要因である」可能性にはなかなかの信憑性がありますが、被験者が男性のみであったり、少なかったりする点は今後の課題でしょうか。結論は次のようになるでしょう。

 

フィトンチッドとストレスホルモンレベルの減少はNK細胞の活動に一部貢献しているかもしれない。

 

 

参考文献&引用

#1 Q. LI, M. KOBAYASHI, Y WAKAYAMA, H. INAGAKI, M. KATSUMATA,Y HIRATA, K. HIRATA, T. SHIMIZU, T. KAWADA,J. PARK T. OHIRA,T. KAGAWA Y MIYAZAK,”Effect Of Phytoncide From Trees On Human Natural Killer Cell Function“,INTERNATIONAL JOURNAL OF IMMUNOPATHOLOGY AND PHARMACOLOGY,Vol.22,No.4,pp951-959,2009.

# 国立研究開発法人 森林研究・設備機構のHPは
https://www.ffpri.affrc.go.jp/(2018年2月17日アクセス)

# 岐阜県森林研究所「フィトンチッドと森林浴について」
http://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/rd/rinsan/9811gr.html (2018年2月17日アクセス)