【植物油はほぼ全滅】料理油に使ってはいけないオイルの基準、それは「酸化しやすさ」

【植物油はほぼ全滅】料理油に使ってはいけないオイルの基準、それは「酸化しやすさ」

赤羽(Akabane)

今回は「料理に使ってはいけない油」についてのお話です。

【植物油はほぼ全滅】料理油に使ってはいけないオイルの基準、それは「酸化しやすさ」

この話題で重要なポイントはずばり「油が酸化しやすいかどうか」なんですが、何がまずいのか?一体どんな油だとアウトなのか?この辺りを詳しく見ていきましょう。

料理油に使ってはいけないオイル「多価不飽和脂肪酸が多い油 = 酸化しやすい」

例えば参考になるのが2018年のレビュー研究(#1)で、オメガ6が豊富な植物油は酸化しやすくて冠状動脈性心臓病リスクを高めることになるぞ!という説についての内容になっていました。

ちなみにオメガ6やオメガ3など、似ていてよく分からない!という方はこちらをご参考までにどうぞ。

要は、多価不飽和脂肪酸に分類されるオメガ3と6を豊富に含む油ほど酸化しやすいということで、加熱や光にめっぽう弱いから調理に向かないよね、ということになります。

そして中でも危険視されているのが「オメガ6」のほうです。酸化しやすいうえに、これに含まれるリノール酸やアラキドン酸は摂りすぎると体内で慢性炎症を引き起こすことが研究(#2)で分かっているんですね。

またオメガ6の中でもリノール酸は、酸化によって体内の悪玉コレステロールまで酸化させる(#3)ことが分かっています。直接炎症の経路につながる以外にも、こうしてコレステロールまで有害な状態にしてしまう、と。

では現代人がどれだけオメガ6を摂っているか?というと、進化の過程で我々が保っていた【オメガ6/3比率 = 1:1】という比率が、今では【オメガ6/3比率 = 20:1】まで増加してしまっています(#4)。控えめに言っても摂りすぎな状態でしょう。

実際のデータでは、2013年のメタ分析(#5)によると、食事の飽和脂肪酸とトランス脂肪酸をオメガ6(サフラワー油)に入れ替えたところ、逆にオメガ6を摂り続けたグループで期間中の心疾患による死亡リスクが高まったという報告が上がっています。データの質は高くないのでこれだけで断定はできないものの、オメガ6が豊富な植物油って、本当に健康に良いの?という疑問が湧いてきますね。

ポイント
・不飽和脂肪酸、特にオメガ6が豊富な油は酸化しやすい&摂りすぎると体内の炎症を引き起こす
・酸化したオメガ6は体内の悪玉コレステロールも酸化させる
・結果的に動脈硬化などを招いて心血管疾患リスクを高める恐れがある

結論:料理油に使ってはいけないオイル

では以上のデータを踏まえて、最後に「料理油に使ってはいけないオイル」をズラッと並べてみましょう。基準は【多価不飽和脂肪酸が多い = 酸化しやすい】という点です。

料理油に使ってはいけないオイル

  • 大豆油
  • キャノーラ油
  • コーン油
  • ひまわり油
  • 菜種油
  • 亜麻仁油
  • ごま油

植物油はほとんどアウトですが、オリーブオイルはOK。理由は、多価不飽和脂肪酸が少ない代わりに、オメガ9(一価不飽和脂肪酸)が豊富だから。こちらの方が熱に強くて安定性があるんですね。

で基本的にこのリストの油は使わないほうがいいんですが、亜麻仁油は例外。直接かけるのであれば、オメガ3が豊富ですし、良いドレッシングになるかと。私も一時期使ってました。

ポイント
・調理油には(エキストラバージン)オリーブオイルやココナッツオイル、MCTオイルなど熱に強くて健康的な油が得策!
・直接かけるなら亜麻仁油もあり!(フタが密閉しやすいタイプが◎)
・オメガ6が多い植物油は基本使わないようにしよう!

赤羽(Akabane)

今回は「料理油」というくくりで見ていきましたが、コンビニで売っている揚げ物やアイスクリーム、お菓子類の成分表記にある「植物油脂」にも気をつけましょう。それはつまり酸化油ということですので..。

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参考文献&引用

#1 James J DiNicolantonio and James H O’Keefe. Omega-6 vegetable oils as a driver of coronary heart disease: the oxidized linoleic acid hypothesis. Open Heart 2018;5:e000898.

#2 Innes JK, Calder PC. Reduction in saturated fat intake for cardiovascular disease. Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2018 May;132:41-48.

#3 Parthasarathy S , Litvinov D , Selvarajan K , et al . Lipid peroxidation and decomposition—conflicting roles in plaque vulnerability and stability. Biochim Biophys Acta 2008;1781:221–31.

#4 Simopoulos AP. An Increase in the Omega-6/Omega-3 Fatty Acid Ratio Increases the Risk for Obesity. Nutrients. 2016 Mar 2;8(3):128.

#5 Ramsden CE, Zamora D, Leelarthaepin B, et al. Use of dietary linoleic acid for secondary prevention of coronary heart disease and death: evaluation of recovered data from the Sydney Diet Heart Study and updated meta-analysis. BMJ. 2013 Feb 4;346:e8707.