赤羽(Akabane)
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太る脂肪と痩せる脂肪…?脂肪細胞には大きく3種類ある!【白色・褐色・ベージュ】
TVの健康番組なんかで「痩せる脂肪」「太る脂肪」だとか、「良い脂肪」「悪い脂肪」みたいな触れ込みは聞いたことがあるかと思います。
こうした話は、脂肪にも幾つか種類があってそれぞれ機能が違う!という事実に基づいていて、それを分かり易く「良い/悪い」「痩せる/太る」という風に分けているんですね。
脂肪細胞には白色・褐色・ベージュの3種類がある!
2019年にパドヴァ大学が発表したレビュー研究(#1)を参考にすると、脂肪細胞の種類は以下のように分類できます。
機能別に分けると、脂肪を蓄える方向に働くのが白色脂肪で、逆に脂肪を燃やす報告に働くのが褐色・ベージュ脂肪ということになりますね。
でこれを基に冒頭の「痩せる/太る脂肪」という括りで分けると、白色脂肪が太る脂肪、褐色・ベージュ脂肪が痩せる脂肪という感じでしょうか。
褐色・ベージュ脂肪がエネルギーを燃焼してくれる仕組みとしては、これら細胞内にたくさん存在するミトコンドリアが関係しています。ミトコンドリアはいわば細胞内の工場みたいな器官で、エネルギー燃焼の役割を担っているんですね。
体を脂肪細胞レべルで痩せやすくする2つのアプローチ
以上を踏まえて、現時点で科学的に提案されている脂肪細胞へのアプローチは2つあるようです。
- 褐色・ベージュ細胞を活性化させる
- 白色細胞に適切な刺激を与えてベージュ細胞化させる
ここで言う「適切な刺激」には、例えば「冷水を浴びる」が含まれます。冷たいシャワーを浴びれば痩せる脂肪が増える!みたいな触れ込みはどこかで聞いたことがあるかと。
確かに冷水や寒さによって褐色細胞が増えるという報告は上がっているんですが、個人的には毎日冷水を浴びるだけで目覚ましいダイエット効果があるとは考えていません。健康な生活習慣の一環として取り入れる分には良さそうかなと思いますが。(かく言う私も毎日20秒くらい浴びてます..笑)
まとめ
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 脂肪細胞には大きく白色・褐色・ベージュの3種類がある
- 白色脂肪は体内にエネルギーを蓄え、褐色・ベージュ脂肪はエネルギーを燃やして消費する方向に働く
- 脂肪細胞レベルで痩せやすい体を作るアプローチとしては、現時点で①褐色・ベージュ脂肪を活性化させる、②白色脂肪に適切な刺激を与えてベージュ脂肪化させる、の2つが提唱されている
こんな感じでしょうか。これでひとまず、脂肪細胞の種類を色・機能別におさらいできましたね。
赤羽(Akabane)
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#1 Hamza El Hadi, et al. Food Ingredients Involved in White-to-Brown Adipose Tissue Conversion and in Calorie Burning. Front. Physiol., 11 January 2019.