日本独特の「あの習慣」が日本人の幸福度アップ、心身の健康に貢献していたかもしれない。

赤羽(Akabane)

日本には独自の文化がたくさんありますが、今回そんな日本文化の中から、日本人の幸福度や健康度に寄与している風習がわかったかもしれない!というお話をば。

日本独特の「あの習慣」が日本人の幸福度アップ、心身の健康に貢献していたかもしれない。

参考は日本人教授の方々が2014年に発表した横断研究(#1)でして、幾つかの日本独特の習わしが健康に良い影響を与えていることがわかったようです。

日本独自の習慣で幸福&健康になれる?という調査結果

この研究では静岡県民を対象にアンケート調査を行って、最終的に3054名から回答を得た様子。そして調査を通して、

  • 入浴の習慣。湯船につかるか、シャワーで済ませる頻度(四季ごと、通年)
  • 最低月に一度は温泉に行く習慣があるかどうか(四季ごと、通年)
  • 緑茶を日常飲むか、飲むとしたらその一日の消費量と種類(ボトル、缶、煎れるお茶など)
  • 性別、年収、主観的幸福度、健康度、睡眠と休息

これらについてアンケートを取ったとのこと。「主観的健康度と幸福度ってどうやって測るんだ?」という点は【とても良い~普通~とても悪い】の五段階評価で答えてもらい、主観的幸福度は0~10の11段階評価で【0~7を低】と【8~10を高】と分けたようです。すると結果は以下のような感じに。

毎日の入浴が主観的な幸福度を上げる?

毎日しっかり入浴する習慣がある人とシャワーで済ませる人で比較したところ、毎日入浴する人たちには健康的な気分になり、十分な睡眠と休息、そして高い主観的幸福度の傾向が見られたようです。一方でシャワーで済ませる人は、低い主観的健康と幸福感、睡眠・休息不足(夏は除いて)を示しました

こうした結果について、研究チームは温かいお湯に浸かることで血管が拡張し、血行が良くなって、全身により多く酸素が運ばれて、これがリラックス効果に繋がるとしています。自然科学の観点からも見てみると納得ですね。

月一の温泉通いで健康的な気分に。

季節を問わず、少なくとも月一で温泉に行ってる人は主観的幸福度が高い傾向を示しました。別の研究でも、温泉の定期的な利用が脳血管性の病気や骨折、それに伴う死のリスクを減らせることがわかっています。より頻繁に温泉施設を訪れる人は精神的に健康であるという研究報告もあるようです。

こうした温泉施設利用の効果は、先述の入浴による効果と同じ理由であると言えるでしょう。

毎日茶葉で煎れた緑茶を飲むと主観的健康感が増す。

この研究の前段階では、少なくとも毎日1ℓの緑茶の消費が主観的な健康と相関関係にあることが明らかになったようですが、今回の研究では毎日500mlのしっかり煎れた緑茶(Brewed Green Tea)を飲んでいる人達の間で高い主観的な健康が見られました

一方で、一日少なくとも200mlの緑茶を、ペットボトルや缶で飲むという人たちは、低い主観的健康を示していました

つまり、缶やペットボトルの緑茶では主観的健康が高くなることはなく、しっかりと煎れたお茶を毎日飲んでいる場合のみだということになりますね。また一日に飲む量も関係している可能性があることがわかります。

ちなみに、緑茶の消費量が多い都道府県は長寿ランキングで比較的上位に君臨していることもセットで示されていました。例えば、緑茶の消費量2位と3位の奈良、京都ではお茶の消費量が平均の都道府県よりも長生きであるようです。

赤羽(Akabane)

まとめると、日本文化は心身の健康にいいかもよ!というお話でした。ただし一点だけ注意点を挙げると、研究の手法上、因果関係はハッキリしてないという点があります。これは横断研究というそもそも研究方法自体に言える弱点ですのでやむを得ないですが。ただまあ、個人的にはどれも心身の健康にはよろしいんではないかと(笑)特に緑茶の健康効果は間違いないんで、適度に飲むことをお勧めします。

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参考文献&引用

#1 Yasuaki Goto, Shinya Hayakawa, Yoshikazu Nakamura “Health Effects of Seasonal Bathing in Hot Water, Seasonal Utilization of Hot Spring Facilities, and High Green Tea Consumption“,The Journal of The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine,Vol.77,No.2,2014.