相手に「Yes」と言わせる確率を2倍上げる魔法の一言「BYAF」とは?

YES! と言わせる魔法の言葉

赤羽(Akabane)

今回は「交渉に使える『BYAF法』とは?」についてのお話です。

 “魔法の言葉”を交渉や頼み事の最後にスッと置くだけ

生きていると、誰しも他人に頼み事をする機会というのはあるもの。そして出来れば頼み事は断られたくないもの。もし頼み事の成功率を上げたい!というのであれば、こんなテクニックを使ってみてはいかがでしょう?

今回参考にするのは、西イリノイ大学のメタ分析(信頼性の高い研究方法)の研究(#1)でして、会議や交渉で最後に“ある言葉”を付けくわえるだけで相手が「Yes」と答える確率が2倍になることがわかったようです。

結論から言ってしまうと、その“ある言葉”というのは、

あなたの自由ですが。(But you are free)

たったこれだけ。拍子抜けでしょうが、これでもしっかり信頼性が担保されたテクニック。チラッと日常で使ってみても良いかと思います。例えば..

あ、ちょっと今日財布忘れてきちゃった..もしお金持ってたら貸してほしい!きつかったらATMでおろしてくるし、大丈夫だったらでいいよ!

みたいな感じです。「いやいや、回りくどいな、ストレートに言えよ!」と思われるでしょうが、あらゆる実験結果を踏まえると、どうやらこれがベターと考えられているのだから、仕方ありません。

おい、金貸せや!

少なくとも、これよりは幾分マシかと(笑)

メタ分析の内容(気になる人はどうぞ)

ということで大事なポイントはもう書いてしまいましたが、一応今回参考にした研究の内容も共有しておきます。ザっと中身を覗いてみると、

  • 13の関連論文から計23790人を対象に、(フランス、ルーマニア、ロシア、コートジボワール)
  • BYAF法で頼み事が通るのか?を調べた
  • 頼み事の内容は3種類
向社会的なもの(募金、チャリティ)
利己的なもの(お金くれ!)
依頼受ける側の為になる申し出(アクティビティへの参加など)

こんな内容。ちなみにBYAFを具体的にどう使ったか?というと、

  • 「あなたの自由ですが(But You are free)」
  • 「強制ではないですが(You are not obliged)」
  • 「あなたの望むように(You may do as you wish)」

こういった言い回しもあったみたい。奥が深いですね..。

そしてこの結果は、

結果
  • 「BYAF」グループは直接お願いするだけのグループより2倍も相手の「Yes」を引き出した
  • 直接顔を合わせない頼み事の場合、「BYAF」の効果は弱まった
  • 向社会的な頼み事と利己的な頼み事の両方で「BYAF」の十分な効果が得られた

このように、改めて見ると絶大な効果が。ちなみに頼み事の内容は「お金貸して!」から「募金よろしくお願いします!」まで幅広く対応できるようです。

そしてもうひとつ、顔合わせ(face-to-face)でないと「BYAF」の効果が弱まる点、これは受け手側が感じる「自由選択の幅」が違うからだと考えられています。文面と顔合わせは全く別問題でしょうから、ここは仕方ないかと。

赤羽(Akabane)

まとめると、相手が「No」と言える自由が確保されること、これがBYAFで大事なポイントかと思います。自分なりのBYAFをカスタマイズしていい返事を聞けるように頑張りましょう!

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参考文献&引用

#1 Christopher J. Carpenter”A Meta-Analysis of the Effectiveness of the “But You Are Free” Compliance-Gaining Technique“,Communication Studies,Vol. 64, No. 1,pp6–17,2013.