赤羽(Akabane)
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高強度インターバルトレーニング(HIIT)は本当に「きついし続かない…」のか?
この問題について、最近参考になりそうな研究が出ていたので、早速見ていきましょう。
HIIT vs. 中強度持続トレーニング!どっちのほうがキツく感じるのか?
これは2019年にリオデジャネイロ連邦大学が発表したメタ分析(#1)で、8件の研究から156名(平均14.2~39.2歳)を対象にしたもの。
対象者は普段からよく動く人から運動不足な人、思春期の子どもから肥満体型の人、と幅広いタイプの人が含まれていていい感じです。
ちなみにエクササイズは、トレッドミル(ジムの走るマシン)やサイクルエルゴメーター(ジムの漕ぐマシン)を使って行われていて、
- HIIT:(例)30秒全力で濃いで30秒最大酸素摂取量10~20%で漕ぐ×24回、ピークパワー100%で60秒濃いで、その後20%で60秒漕ぐ×10回、など
- 中強度持続トレ(MICT):(例)20分まあまあ息が上がる強度で漕ぐ、ピークパワー80%で20分か40%で40分漕ぐ、など
時間や強度の違いはこんな感じです。簡単に言うと、実験ごとに程度は違いますが、HIITは息が上がってまともに喋れないくらいの強度で短時間、MICTは話すのが困難になるくらいの強度で長時間の運動といったイメージです。
でそれぞれの運動前、最中、運動直後などで「運動がどの位きつかったか?」「どのくらい楽しかったか?」といったアンケートに答えてもらったんですね。
すると結果は、
- HIITはMICTと同じくらいか、それよりも楽しかったという結果が得られた
- HIITではMICTと同じくらいか、それよりマシなキツさだという傾向があった
こんな感じに。予想に反してHIITは中強度の持続トレとさほど変わらないか、むしろ運動として楽しいという傾向が見られたんですね。
ちなみにHIITではひたすら「動く!」と「休む!」を繰り返しますが、メニューを組むうえで大事なポイントは1セットに動く時間みたい。現に今回の研究では、
- 1セットで120秒動く場合は、30秒や60秒だけの場合に比べて、動く/休むの時間比率が一緒でもよりキツく感じる
このようなことが分かっています。つまり120秒動いて60秒休む!というメニューよりも、60秒動いて30秒休む!という風に小刻みなメニューにした方がキツさは軽減するかもよ、と。
またきつ過ぎるHIITもやっぱり辛いと感じるようです。例えば、最大酸素摂取量100%で120秒間動き続けて、平均57秒休んで1セットを6.6回行った実験では、MICTのほうが楽だという結果になっていました。さすがに2分間フルパワーは鬼ですね..(笑)
注意点・まとめ
一応今回の研究の注意点もまとめておくと、
- 研究ごとの参加者数が少ない
- 運動メニューがバラバラ
- 結果にもばらつきが出ている
この辺りは押さえておくとよろしいかと思います。メタ分析にしてはかなりサンプル数が少ないですし、HIITやMICTメニューも研究間で結構バラバラ。具体的にどんなHIITだと楽にできるか?のハッキリした結論は先になりそうです。
以上も踏まえてまとめに入りましょう。
- HIITは中強度の持続運動と変わらないくらいのキツさかも
- 楽しさだと同等かそれ以上かもしれない
- 出来るだけ心理的負担を減らして楽しくやるなら、1回で動く時間を小刻みにするといいかも
こんな感じでしょうか。結論はまだ先ですが、HIITは中くらいの強度で何十分もやる運動と大して「楽さ」は変わらないかも。時間もかからないし、精神的負担も少ないなら、割と続けやすいんじゃないかと思います。
赤羽(Akabane)
参考文献&引用
#1 Oliveira BRR, Santos TM, Kilpatrick M, Pires FO, Deslandes AC. Affective and enjoyment responses in high intensity interval training and continuous training: A systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2018; 13(6): e0197124.