赤羽(Akabane)
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週にたった16分でバランス感覚を鍛える「BEEPエクササイズ」とは?
年を取ると健康面が気になってくるものですが、意外に見過ごされがちなのが「バランス感覚」です。お年寄りは特に、転倒によって骨折してしまったりするだけでも、そこから寝たきりになってしまったり、命にかかわる重大な要素であるにもかかわらず…。
そこでこの記事では、お年寄りをはじめ、我々がバランス感覚を養うためにできる簡単なエクササイズを見ていきましょう。
BEEPエクササイズを構成する3種類のトレーニング
参考は2016年にルンド大学が発表したクロスオーバー試験(#1)で、BEEPエクササイズというプログラムを提唱しておられました。
中身は3つの自重トレーニングで、ザっと以下の通りです。
スクワット
自重トレーニングとしても優秀なスクワットは、その場で肩幅くらいに脚を広げてしゃがみ込むエクササイズです。自重スクワットは高齢者の運動能力を測る大事な基準の一つです。
ヒール&カーフレイズ
かかとを挙げてつま先立ちになるトレーニングで、数回ゆっくりと上げ下げしていきます。ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニングとしても使われる種目ですね。
片脚立ち
その場に片脚で立ち続けてバランス感覚を養います。バランスエクササイズの定番ですね。
どれも自重でできるので、仕事先や自宅でも、どこでも出来ますね。ちょっとしたスキマ時間に是非お試しください。
BEEPエクササイズの効果は?
BEEPエクササイズの実際の効果を見てみると、上記の試験では34名の高齢者(平均69歳)を対象に、6週間のBEEPエクササイズを行ってもらったところ、以下の結果になったようです。
- 目を開けて片脚立ちの持続時間が32%改善した
- 目を閉じて片脚立ちの持続時間が206%改善した
- 目を開けて片脚立ちを不安定な地面で行う持続時間が54%改善した
まとめると、高齢者のバランス感覚が6週間のBEEPエクササイズで改善していた!ということになります。
ちなみに試験内では、参加者は平均して週4回16分程度エクササイズを行っていたようで、あまり長時間やらなくても十分効果は得られるのかもしれません。
注意点・まとめ
ただし注意点としては、BEEPエクササイズの効果を検証した実験は上記の一件しかなさそうです。参加者も少ない分統計的なパワーは弱いですし、本当に週4回16分で事足りるのか?という点はまだまだ議論の余地がありそうです。
赤羽(Akabane)
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#1 Anna Hafström, et al. Improved Balance Confidence and Stability for Elderly After 6 Weeks of a Multimodal Self-Administered Balance-Enhancing Exercise Program: A Randomized Single Arm Crossover Study. Gerontol Geriatr Med. 2016 Jan-Dec; 2: 2333721416644149.