赤羽(Akabane)
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循環器疾患にもブルーベリーが最適?
本題の前に一応ブルーベリーを軽くおさらいしておきましょう。
ブルーベリーの栄養・健康効果
まずベリー類全般で言っても、栄養バランスがかなり良いです。ビタミンCを筆頭に抗酸化ビタミン類や、ミネラル、食物繊維も豊富に含まれます。
で特筆すべきがポリフェノールです。有名どころで、アントシアニンやレスベラトロールといった強力な抗酸化物質が豊富なんですね。それでいて100g当たりのカロリーはたった50kcal前後。甘味としても優秀ですし、是非スイーツの代わりに食べたいところです。
そしてブルーベリーといえば、科学的に特に推奨されている健康食品でもあります。2016年に出たメタ分析(#1)でも、脂質系の数値や血糖値、体内の炎症まで改善してくれることが分かっています。
メタボ体型な人が心疾患や脳血管疾患リスクを下げるには一日〇〇gのブルーベリーでOK?
ではここからが本題です。ブルーベリーの健康効果を得るための量について面白い知見が出ていました。
これは2019年にイーストアングリア大学が発表したRCT(#2)で、太り気味・肥満体型の138名の男女(メタボ、50~75歳)を対象に行われたもの。
この実験では、まず彼らを次の3つのグループ分けました。
- 1カップブルーベリー:1カップ(150g相当)のブルーベリーを毎日食べる
- ハーフカップブルーベリー:1/2カップ(75g相当)のブルーベリーを毎日食べる
- プラセボブルーベリー:偽物のベリーに見える食品を毎日食べる
で実験開始直前の21日間は、皆平等に結果に影響がある食事を制限して、開始時と実験終了時にインスリン抵抗性(二型糖尿病の指標)やその他代謝系の数値を測定したようです。
結果、115名が6か月間の実験をやり遂げました。ではグループごとにどんな差が出たかというと、
- 1カップブルーベリーでのみ代謝系の数値に改善が見られた!
- ハーフカップやプラセボではどの数値にも改善が見られず
ザックリこんな感じになりました。どうやらハーフカップの75gでは効果がなかったみたいですね。もう少し具体的に見てみると、
- 内分泌代謝が改善、動脈も柔らかくなった
- 善玉コレステロール(HDL)の値、密度が増加、アポリポプロテインA1も増加
- インスリン抵抗性、総、悪玉コレステロールには改善なしだった
150g相当のブルーベリーでこうした部分が改善、結果的に循環器疾患リスクとしては12~15%の低下に相当する効果が得られたんですね。
またHDL関連の数値の増加は、コレステロールを下げる薬(スタチン)を服用していない患者で特に大きく見られた様子。ここは納得の結果かと。
まとめ
では今回の内容をまとめます。
- メタボ患者は150gのブルーベリーを6ヵ月で循環器疾患リスクが下がるかも
- 内分泌代謝を改善して、血管を柔らかくする効果がありそう
- おまけに善玉コレステロールの密度と量を増やしてくれるかも
こんな感じでしょうか。全体的に循環器疾患リスクを下げてくれそうなのは間違いないものの、どの数値にどのくらい効くか?は研究によってまちまち。
例えば、2010年のRCT(#3)をみてみると、インスリン抵抗性&肥満体型の男女を対象にブルーベリーを6週間与えたところ、インスリン感受性が改善したという報告もあったりするんですね。
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参考文献&引用
#1 Huang H, Chen G, Liao D, Zhu Y, Xue X. Effects of Berries Consumption on Cardiovascular Risk Factors: A Meta-analysis with Trial Sequential Analysis of Randomized Controlled Trials. Sci Rep. 2016 Mar 23;6:23625.
#2 Curtis PJ, van der Velpen V, Berends L, Jennings A, Feelisch M, Umpleby AM, Evans M, Fernandez BO, Meiss MS, Minnion M, Potter J, Minihane AM, Kay CD, Rimm EB, Cassidy A. Blueberries improve biomarkers of cardiometabolic function in participants with metabolic syndrome—results from a 6-month, double-blind, randomized controlled trial. Am J Clin Nutr. 2019 Jun 1;109(6):1535-1545.
#3 Stull AJ, Cash KC, Johnson WD, Champagne CM, Cefalu WT. Bioactives in blueberries improve insulin sensitivity in obese, insulin-resistant men and women. J Nutr. 2010;140(10):1764–8.