初対面で信用を得るには同じ料理を頼むべし!では同じお皿でシェアして食べたらどうなる?

初対面で信用を得るには同じ料理を頼むべし!では同じお皿でシェアして食べたらどうなる?

赤羽(Akabane)

今回は「初対面ですぐ打ち解けるには同じ料理を食べるべし」というお話の続きです。

初対面で信用を得るには同じ料理を頼むべし!では同じお皿でシェアして食べたらどうなる?

この問題については過去に触れていて、2016年の研究(#1)では「同じ食べ物を食べた見知らぬ二人組は、その後協力したり信用し合ったりする傾向が見られた」という結果が出ています。

で今度は、「じゃあ一緒に同じ皿で料理をシェアしたらどうなるの?」という新しい視点で見ていきましょう。
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同じ皿で食べ物をシェアすると、その後の交渉や話し合いにお互い協力しやすくなる?

2019年に同じ研究チームが発表した研究(#2)では、1476名を対象に4つの実験を行なっていて、色々な状況で「同じ皿で食事をシェアしたら信頼や協力につながるか?」を調べています。

例えば1つ目の実験では、200名の学生を集めて初対面同士で賃金交渉をさせました。で交渉の前に、①テーブルの上のサルサやチップスをシェアする、②別々のサルサとチップスを食べる、という2パターンにわけたようです。

ちなみに交渉は話し合いなしで、経営陣側、労働組合側の二手に分かれて行われました。ターンに応じて入札して、労組側の入札と経営側の入札が合致か上回れば合意、といった感じ。ちゃんと交渉に取り組んでもらうために、パフォーマンス次第では報酬があったみたい。

でこうした実験の結果、次のようなことがわかりました。

結果
  • 同じ皿でサルサやチップスをシェアした二人組は、合意に至るまでにストライキが少なかった(≒より相手に協力的になった)
  • 同じ皿をシェアした場合は、どちらの側も交渉のパフォーマンスが高いとみなされた(≒よりお互いに協力できていた)

ここから言えるのは、同じ皿で食べ物をシェアするだけで、その後の交渉が上手くいきやすかったということ。面白いですね〜。

こうした結果は他の実験でも確認されていて、有名な「囚人のジレンマ」を使った信用ゲームでも、同じ皿で食事を共にするだけでゲーム内での信用行動がかなり増えることが分かっています。

注意点・まとめ

ただ注意点として、今回の結果はまだまとまった見解ではないことは押さえておいたほうが良さそうです。今後も色々なシチュエーションで効果が確認されていけば、「どんな条件で効果が高くなるのか?」みたいな部分まで分かりそうですね。

では最後に今回の内容をまとめていきましょう。

ポイント
  • 初対面で信用を得て打ち解けるには同じ料理を頼むべし!
  • 同じお皿で料理をシェアしても効果があるみたい
  • 交渉や初対面のコミュニケーションではチャイニーズスタイルみたく料理を一緒にシェアするといいかも

こんな感じでしょうか。デッカいお皿にドンと料理がのってて、それを取り皿にとってシェアする、みたいなレストランに行けばすぐ実践できそうですね。

赤羽(Akabane)

ということで、初対面の打ち解けや交渉を滑らかに進めるには「同じ料理を頼むべし!」もっと言うなら「料理は同じお皿でシェアすべし!」となりました。取引先との打ち合わせ程度ならカフェになりましょうが、その場合はせめて同じドリンクを頼む、初対面の人と打ち解けるにはチャイニーズスタイルのレストラン、みたいに上手く使い分けしちゃいましょう。

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参考文献&引用

#1 Kaitlin Woolley, Ayelet Fishbach. A recipe for friendship: Similar food consumption promotes trust and cooperation. Journal of Consumer Psychology, Volume27, Issue1, January 2017, Pages 1-10.

#2 Kaitlin Woolley, Ayelet Fishbach. Shared Plates, Shared Minds: Consuming From a Shared Plate Promotes Cooperation. Psychological Science, Volume: 30 issue: 4, page(s): 541-552.