赤羽(Akabane)
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納豆や味噌などの「発酵性大豆食品」を食べると健康長寿になれるかもしれない
和食が健康的という話でよく根拠の一つとして上がるのが、主力になっている大豆食品でしょうか。豆腐や納豆、味噌汁のお味噌など、色々な定番料理に使われているのが分かりますね。
そこでこの記事では、こうした大豆食品を食べていれば本当に長生きできるの?というデータを見ていきます。
国立がん研究センターの調査結果!発酵性大豆食品をよく食べる人は長生きする?
2020年に国立がん研究センターが発表した研究(#1)によると、納豆などの発酵性大豆食品をよく食べる人は早死にリスクが低く長生きする傾向が見られたようです。
この研究は、92,915名(45~74歳、女性50,165名)を対象に、彼らの14.8年間を追跡したもの。調査項目は、調査開始時点にアンケート調査した食事や運動といった生活習慣に関するデータで、その中でも「大豆食品」の摂取量別に対象者らを5つの群に分けました。
調査の結果、期間中に13,303名が亡くなって、この死亡リスクが大豆食品の摂取量によってどこまで変わるのか?というのを分析していったところ、以下のようなことが分かりました。
- 大豆食品全体で見ると、最もよく食べる群と最も食べない群で総死亡リスクに有意な差は見られなかった (男性:0.98, 95%CI 0.91~1.06, Ptrend=0.43; 女性:0.98, 95%CI 0.89~1.08, Ptrend=0.46)
- ただし発酵性大豆食品だけで見ると、最もよく食べる群は最も食べない群よりも総死亡リスクが有意に低かった(男性:0.90, 95%CI 0.83~0.97, Ptrend=0.05; 女性:0.89, 95%CI 0.80~0.98, Ptrend=0.01)
- こうした結果は、年齢やBMI、喫煙歴、飲酒歴、運動量などの生活習慣による影響を調整したうえでのものだった
まとめると、日頃から発酵性大豆食品をよく食べる人では、全然食べない人よりも長生きしやすい傾向があったんですね。一方で、大豆食品全般で見ると、これといって有意な効果は見られなかった様子。
また、納豆や味噌に焦点を絞ると、女性でのみ総死亡リスクがそれぞれ16%、11%低かったことが分かりました。一方で、上記のような生活習慣を全て考慮した場合、男性では食品別に見て有意な効果はありませんでした。
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、ザッと以下の点は押さえておくと良さそうです。
- 因果関係を実証するものではない: 研究手法の性質上、発酵性大豆食品が死亡リスクを下げた!とは言い切れない(他の要素の影響はどこまで調整しても残るから)
- 大豆食品は野菜などとセットで摂られることが多い: 食事の調査は、過去1年の内容を思いだして回答してもらう形式だったので、主観が混じりやすいうえに、大豆食品とセットで食べる野菜などの影響までは調整しきれない。その分、データの正確性は落ちることになる
- 食事の調査は初めの1回しか行われていない: 十数年の期間の中で、食事の習慣がずっと変わらないとは考えにくく、データの精度がかなり落ちる
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 納豆や味噌など、和食の中心である「発酵性大豆食品」を良く食べる人は長生きするかもしれない
- 今回の日本で行われた調査によると、男女ともに発酵性大豆食品をよく食べる群は、全然食べない群よりも、期間内の総死亡リスクが10%程低かった
- 特に女性で、納豆や味噌をよく食べる人はリスク低下効果が高かった
赤羽(Akabane)
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#1 Ryoko Katagiri, Norie Sawada, Atsushi Goto, et al. Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortality: prospective cohort study. BMJ 2020;368:m34.