赤羽(Akabane)
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信頼やモラルに関わる大事な要素「罪悪感と恥の傾向」の診断テスト16問
前回、「罪悪感の感じやすさというのは他人からの信頼を勝ち取るのにも重要な要素だ！」というお話をしました。
そこでこの記事では、罪悪感や恥の感じやすさについて、定番の診断ツールを試してみましょう。
【キーワードは罪悪感】「信頼できる人ってどんな人？」この問いの意外な答えとは？
罪悪感と恥の感じやすさを測るツール「Guilt and Shame Proneness Scale (GASP)」
今回参考にする診断ツールは、2011年にカーネギーメロン大学が提唱した「Guilt and Shame Proneness Scale (GASP)」(#1)というもので、全16問・4つのカテゴリから構成されています。
このアンケートでは、あなたは普段から遭遇しそうな状況と、それらに対するよくある反応についての問題を読みます。それぞれのシナリオを読み終わる度、あなたがその状況に出くわした時を想像してください。そして、どのように反応するか、記載されている選択肢から回答してください。[筆者訳]
では早速ですが、以下の採点基準に沿って問題のスコアを計算していきます。
採点基準
- …全くそうならないだろう
- …そうならないだろう
- …あまりそうならないだろう
- …50%程そうなり得る
- …ややそうなり得る
- …そうなり得る
- …非常によくそうなり得る
GASP16問
- お店で多くお釣りをもらってしまったと気づき、あなたはそれを貰っておくことに決めた。言わなければ、店員は気づかないからだ。この時、あなたはお釣りをそのままにしておくことにどのくらい居心地が悪く感じるだろうか？
- あなたはグループの中で、優等生協会(アメリカで学業成績が優秀な人材が招待されるコミュニティ)の資格がない唯一の生徒だと個人的に知らされる。あなたが学校を何度もサボっていたからだ。このことを知り、あなたはどのくらい出席に対して責任感を持つようになるだろうか？
- 図書館にて、あなたは雑誌から記事を抜き取った。そのことに先生が気づき、図書室の司書に報告し、クラス全体へも知れ渡ってしまった。この時、あなたはどのくらい自分を悪い人間だと感じるだろうか？
- 仕事の重要なプロジェクトで大きなミスを犯してしまい、その仕事の責任はあなたにあった。上司は同僚の目の前であなたを叱責した。この時、あなたはどのくらい仮病を使って会社を休もうとするだろうか？
- あなたは友人の秘密をばらしてしまうが、当の友人はそれに気づかない。今後、あなたはどのくらいその秘密をそれ以上広めてしまわないように一層の努力をするだろうか？
- あなたは、仕事で出来の悪いプレゼンをしてしまう。その後、あなたの上司は同僚たちに、あなたの失敗によって会社は契約を失ったと言いふらしていた。この時、あなたはどのくらい自分の無能を痛感するだろうか？
- ある友人が、あなたは自慢が多すぎると言う。この時、あなたはどのくらいこの友人と一緒に居るのを止めようと思うだろうか？
- あなたの家は散らかっているが、ある時急にお客さんが来訪し、あなたは中へ招き入れる。この時、あなたはどのくらいこのお客が行ってしまうまで居留守を決め込むだろうか？
- あなたは秘密裏に重罪を犯してしまった。この時、あなたはどのくらい法律を破ってしまったことを反省するだろうか？
- 訴訟裁判で、あなたは自分が被った被害を誇張することに成功する。それから数か月後、嘘がばれてあなたは偽証の罪に問われることになった。この時、あなたはどのくらい自分が卑劣な人間だと思うだろうか？
- 討論の場で、あなたは自分の意見を頑なに支持しており、その場の誰も気づいていないが、その意見は間違っている。この時、あなたはどのくらい発言の前にもっと慎重に考えるべきだと思うようになるだろうか？
- あなたはオフィスの事務用品を私用で持ち帰り、上司に捕まってしまった。この時、あなたはどのくらいその仕事を止めようと思うだろうか？
- あなたは仕事で失敗をし、そのことで同僚が上司から叱責されていることを知る。その後、同僚はあなたに失敗の件で食って掛かってくる。この時、あなたはどのくらい自分のことを腰抜けだと思うだろうか？
- 同僚の新居祝いパーティにて、あなたは赤ワインをクリーム色のカーペットにこぼしてしまう。あなたはそのシミを椅子の脚で隠して、事なきを得た。この時、あなたはどのくらい自分の行いを哀れだと思うだろうか？
- 友人と激論を交わしている時、あなたは自分が叫んでしまっていることに気づいたが、誰もそのことには気づいていないようだ。この時、あなたはどのくらい友人に対してもっと思慮深く接するようにしようと反省するだろうか？
- あなたは誰かに嘘をつくが、彼らはそのことには決して気づかない。この時、あなたはどのくらいその嘘をひどいものだと思うだろうか？
問題は以上でして、ここからスコアを以下の4つのカテゴリに分けて採点していきます。
罪悪感と恥の4つのカテゴリ
- 罪悪感-ネガティブ行動評価: 1, 9, 14, 16問目。してしまったことに対して、密かに罪悪感を抱き、それがひどいことであると自覚する性質。
- 罪悪感-修復: 2, 5, 11, 15問目。してしまったことに対して、密かに罪悪感を抱き、今後はそういうことがないようにと反省をする性質
- 恥-ネガティブ自己評価: 3, 6, 10, 13問目。周りに知られてしまった「やらかし」に対して、恥ずかしく感じる性質
- 恥-撤退: 4, 7, 8, 12問目。周りに知られてしまった「やらかし」に対して、それを二度と経験しないように避けて行動する性質
罪悪感の設問については、他人に「やらかし」がバレていない状況での思考を、恥の設問については、他人に「やらかし」がバレている状況での思考をテストしていますね。
ちなみに、罪悪感が強いと、人は先回りしてその状況が起こらないように努力をしたり、そうなってしまっても深く反省して今後に活かすような性質があるようです。一方で、恥の傾向が強いと、自分が犯した「やらかし」を周りにバレないように隠ぺいしたり、嘘をついたりする性質があるようです。両者は似ているようで、割と対極的な関係であると言えましょう。
まとめ
赤羽(Akabane)
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参考文献&引用
#1 Cohen, T. R., Wolf, S. T., Panter, A. T., & Insko, C. A. (2011). Introducing the GASP scale: A new measure of guilt and shame proneness. Journal of Personality and Social Psychology, 100(5), 947‐966. doi: 10.1037/a0022641
