赤羽(Akabane)
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アーユルヴェーダのハーブ「アシュワガンダ」が体を細胞レベルで活性化&エネルギー消費を高めてくれるかも?
インドに古くから伝わる、「アーユルヴェーダ」という伝統医学があります。詳しいところは今回省きますが、その中で強壮剤として注目されているのが「アシュワガンダ」というハーブです。
そこでこの記事では、「アシュワガンダが体を細胞レベルで活性化させてエネルギー消費を高めてくれるかも?」というデータを見ていきます。
アシュワガンダがミトコンドリアを活性化&エネルギー支出を増やしてくれる?
2020年に韓国のリサーチセンターが発表した動物実験(#1)によると、アシュワガンダで骨格筋や脂肪細胞のミトコンドリアが活性化してエネルギー消費を高めてくれるかもしれないみたいです。
この研究では、肥満の雄マウス40匹を対象に、10週間の実験を行なっていまして、ザッと以下のようなグループ分けをしたようです。
- 通常食: アメリカでマウスの食事として基準になっている食事を与える
- 高脂肪食: 脂肪分45%、コレステロール0.5%が含まれたマウス用栄養食を与える
- 高脂肪&Ash0.5%: プラスでアシュワガンダ0.5%が含まれたエタノール抽出粉末を与える
- 高脂肪&Ash0.25%: プラスでアシュワガンダ0.25%が含まれたエタノール抽出粉末を与える
*各グループ10匹ずつ。
実験期間を過ごしたマウスたちは、酸素摂取量や二酸化炭素排出量などをテストしたのち、麻酔をかけられ、肝臓や筋肉、脂肪細胞を摘出、血液サンプルも分析したようです。要は、高脂肪なダイエットで太ってしまうのを、アシュワガンダでどれほど打ち消せるのか?という検証ですね。
すると実験の結果、こんなことが分かりました。
- Ash0.5%とAsh0.25%のグループで、高脂肪食グループよりも実験による体重の増加を抑えられていた
- 中性脂肪の増加を抑える効果や、善玉コレステロール/総コレステロール比や筋肉量の増加、白色細胞の減少、インスリン抵抗性の改善などが見られた
- 他にも、筋活動や骨格筋のミトコンドリア、酸素摂取量&二酸化炭素排出量、エネルギー消費量などが増加した
*一部、経口ブドウ糖負荷試験(インスリン抵抗性を調べるテスト)の結果など、Ash0.5%でのみ有意な効果が確認された項目もある
*ミトコンドリア…細胞内にあるエネルギー工場のような器官で、活性化することでエネルギー消費量も増加する
まとめると、アシュワガンダの粉末を与えられたマウスで、脂質周りの数値から体型の改善まであらゆる効果が確認されました。高脂肪食による体型や脂質周りへの悪影響を緩和する形になっています。
また脂肪細胞を見てみると、高脂肪食は褐色細胞の産生に関わる遺伝子を減らしてしまう傾向があったのですが、アシュワガンダを投与したマウスでは、褐色細胞内のクエン酸回路(TCA回路)が活性化していることが分かりました。TCA回路は、体がエネルギーを作り出すのに欠かせない回路です。
こうした抗肥満効果には、アシュワガンダに含まれる「withanolide A」や「withaferin A」といった物質が関係していると考えられているようです。とはいえ、まだその他の詳しいメカニズムはよくわかっていません。
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注意点・まとめ
一方で、動物実験の結果がヒトでどこまで再現できるか?という点は気にしておくと良さそうです。というのも、マウス基準の食事量や種類での検証になるので、これがヒトに換算して適切なモノなのかどうか?という部分が際どいんですね。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」で強壮剤として親しまれているハーブ「アシュワガンダ」
- 今回のマウス実験によると、アシュワガンダで高脂肪食によって太りやすくなるのを抑えられるかもしれないようだ
- 具体的には、脂質周りの悪化を抑えたり、ミトコンドリアを活性化させてエネルギー消費を高めたりすることで、効率的にエネルギーを代謝できるようになるかも
赤羽(Akabane)
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参考文献&引用
#1 Lee DH, Ahn J, Jang YJ, et al. Withania somnifera Extract Enhances Energy Expenditure via Improving Mitochondrial Function in Adipose Tissue and Skeletal Muscle. Nutrients. 2020;12(2):431. Published 2020 Feb 7. doi:10.3390/nu12020431