赤羽(Akabane)
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昆虫は優秀なたんぱく源なのか?インセクトプロテインを色々なプロテインと比べてみた結果…
早速ですが、この問題について面白い研究が発表されていました。
昆虫 vs. ホエイ or ソイ!各プロテイン摂取後の体内アミノ酸濃度を調べてみると..
これは2018年にオーフス大学が発表したクロスオーバー試験(#1)で、6名の男性(18~30歳)を対象に4日間で行われたもの。
そしてこの実験の期間中、参加者らは日ごとにランダムで以下のグループに割り当てられました。
- インセクトプロテイン:昆虫のプロテインアイソレートをたんぱく質25g分飲む
- ソイプロテイン:ソイプロテインアイソレートをたんぱく質25g分飲む
- ホエイプロテイン:ホエイプロテインアイソレートをたんぱく質25g分飲む
- プラセボ(偽薬):水をプロテインと同じ分量(400ml)で飲む
ちなみにここでの昆虫には「ガイマイゴミムシダマシ」というミルワームの一種が使われた様子。画像は…各自でお調べください(笑)
でそれぞれの摂取直後2時間で参加者らの血液サンプルを採取して、血中のアミノ酸レベルをチェックしたようです。
するとここから、次のようなことが分かりました。
- プロテイン摂取はどれもプラセボよりは血中アミノ酸濃度を高めた
- ホエイが最も血中のアミノ酸濃度を高めた(BCAA、EAA、ロイシン単体)
- インセクトとソイは全体を通して見ると同レベルで血中アミノ酸濃度を高めた
どうやら、摂取直後のアミノ酸濃度で言えばやはりホエイが一番良いみたい。で肝心のインセクトは2時間通して見るとソイと同レベルだった、と。
ただ厳密に言えば、摂取直後40分・60分経過時点ではソイもかなりアミノ酸濃度を高めていたり、インセクトは2時間経過後もゆっくり高めていたり、アミノ酸濃度が上下するタイミングには差がありました。
注意点・まとめ
では最後に今回の内容をまとめます。
- 昆虫はたんぱく源として使えそうだ
- ホエイに劣るものの、ソイと同じレベルで血中アミノ酸濃度を高めるかも
- 世界の人口増加に伴う食糧難に備えて、昆虫が主食になる日が来るかも..
ただし注意点として、インセクトプロテインについて調べた実験はまだまだ初歩段階で、今回ようやくヒトを対象にした実験が出た!といったレベルであることは押さえておくと良さそうです。
参加者も少なくて男性のみですし、今回は昆虫もミルワームのお仲間だけなので、他の昆虫だとどうなるか?も不明。
またプロテイン摂取直後のアミノ酸濃度は、後々の筋力や筋肉量アップの指標として当てにならないよなぁ..とも思います。
赤羽(Akabane)
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#1 Vangsoe MT, Thogersen R, Bertram HC, Heckmann LL, Hansen M. Ingestion of Isolate Enhances Blood Amino Acid Concentrations Similar to Soy Protein in A Human Trial. Nutrients. 2018 Sep 22;10(10). pii: E1357.