赤羽(Akabane)
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ナルシズムは年齢と共に変化していく性格であることが判明
ナルシストというのは、いわゆる「自分大好き人間」のことで、傲慢さや優越感を感じる傾向が強い人を指します。でこうした性質をナルシズムと呼びます。
この特性は人間の性格における闇の三属性「ダークトライアド」の一角も担っていて、人から煙たがられやすい性格の一つだと言われています。
しかし性格というのは年齢とともに変わっていくと考えるのが普通です。ここからは、「ナルシズムも年齢とともに中身が変わるかもよ」という研究結果を見ていきましょう。
ナルシズムは年老いても健在なのか?を幅広い年齢層で調べた結果
2019年にミシガン州立大学が発表した研究(#1)では、1923~1969年の間に生まれた747名の男女(女性72%、13~77歳)のデータを集めて、彼らのナルシズム度が時代と共にどのように変化しているか?を調査していました。
ここまで色々な世代、年齢層のデータをまとめた研究はこれまでにもなくて、現時点では最も参考になる結果かと思います。
では早速ですが、調査の結論から見ていきましょう。
- ナルシズムは一生涯においてまあまあ安定して残る特性で、若い年齢層で強い傾向があった
- ナルシズムの不適合な性質(周囲の評価への過剰反応や頑固な態度)は年齢と共に落ち着いていた
- ナルシズムの自律的な側面は一方で年齢と共に高くなっていた
ここから言えるのは、ナルシズムは年齢によってネガティブな面が落ち着く傾向があって、より成熟したものに変わっていくものの、一生涯で根っこは変わらず安定しているということ。
また他の発見として、対象者がより昔の世代に生まれた人であるほど、ナルシズムの不適合な性質が強い傾向が見られたようです。世間一般のイメージでは、こうした傾向って現代ほど強いんじゃないの?と思われるでしょうが、意外にも今回は予想に反した結果がでました。
注意点・まとめ
ただし注意点としては、この手の観察研究にしてはサンプルが少ない点が挙げられます。このテーマでは現時点で最も参考になるデータですが、今後はもう少し対象者が増えるとなお良しかと。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- ナルシズムはどの年齢層になっても割と一貫して見られたが、若い層の時に強い傾向はあった
- 若い頃はナルシズムの自意識過剰や頑固などのネガティブな側面が目立つが、年齢を重ねるごとに落ち着いて自律性の側面が高くなっていた
- ナルシズムも他の性格特性同様、年齢と共に成熟していくようだ
こんな感じでしょうか。ナルシズムも奥が深いですね〜。
赤羽(Akabane)
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#1 Chopik, W. J., & Grimm, K. J. (2019). Longitudinal changes and historic differences in narcissism from adolescence to older adulthood. Psychology and Aging, 34(8), 1109–1123.
※当記事はメンテナンス済みですが、2020年1月18日に公開された時点での内容となっておりますので、情報が古くなっている場合もあります。