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マッサージセラピーは本当に健康効果があるのか検証してみた。
年を取ればとるほどに頼りたくなるのが「マッサージ」ですね。仕事で疲れた身体をリラックスさせてくれますし、何より気持ちいいという。
今回はそんなマッサージを科学的に健康効果があるのか?という点で検証してみます。
マッサージの心身への健康効果を徹底分析した研究によると…
イリノイ大学が2004年に行ったメタ分析(#1)によると、マッサージセラピーによって改めてあらゆる健康効果があることが分かったようです。
研究の大まかな内容は以下の通りです。
- 37の関連研究(RCT)を調査
- 総参加者は1802人
- マッサージ師は資格持ちと素人で半々くらい
- 各研究のグループは大体次のように分けられた
- マッサージセラピー受けるグループ
- マッサージセラピー受けないグループ
で結果の指標として含まれたのは、うつ病や抑うつ気分、コルチゾール値(ストレスホルモン)、血圧、マッサージセラピー後の痛み、心拍数など。フィジカル&メンタルの両面から効果が分かりそうですね。
そしてグループごとに結果を比べると、以下のようになりました。
- 不安症状が64%減少した
- 血圧が60%減少した
- 心拍数が66%減少した
- うつ症状が73%減少した
- 特性不安が77%減少した
- セラピー後日をまたいでの痛み度合いが62%減少した
- 他の項目では両グループで優位な差は見られなかった
まとめると、9のうち6つの項目で健康効果が観測されました。ちなみに結果の%の数字は「セラピーを受けないグループ」と比較しての数字で、「セラピーグループのほうがセラピーを受けないグループよりも○○%低下した」という解釈になります。全体的にはリラックス効果があると言えそうですね。
一つ気になるのが、コルチゾール値が変わらなかったこと。”血圧や心拍数が低下している=副交感神経優位になってる=コルチゾール値も下がる”のでは?と思いました。いずれにしても、日頃感じているマッサージの効果は科学的にもなかなか信頼できるものかもしれません。
赤羽(Akabane)
参考文献&引用
# Christopher A. Moyer,James Rounds,James W. Hannum”A Meta-Analysis of Massage Therapy Research“,Psychological Bulletin,Vol.130,No.1,pp3–18,2004.
# 心理学用語集サイコタム「状態不安・特性不安」
https://psychoterm.jp/applied/clinical/a18.html「2018年3月16日アクセス」