赤羽(Akabane)
今回は「脳を休めるには自然の中を散歩しよう!」というお話です。
目次
自然の中をお散歩しよう!
自然の研究の第一人者として有名なマーク・バーマン教授らの研究(#1)によると、自然の中を歩くと脳がより休まって認知テストの成績が上がったことが分かりました。この研究は大きく2つの実験に分かれまして、ザっと以下の通りです。
実験1
- 38人のミシガン大学学生たちが対象
- まず数字の逆唱テストを行う
- 脳をとても使うタスクをやって疲れてもらう
- その後参加者を2つのグループにわけて50~55分の散歩に出かけてもらう
- 木々の生い茂る緑な公園
- 中心街のがやがやした通り
以上のような流れで実験を進めて、再び最後に数字の逆唱テストを行ったようです。すると、こんな結果になりました。
結果
- 緑の多い公園を歩いたグループは顕著にテストの成績が良かった
- 気分や天候による影響を調整しても結果は同じだった
緑の多い公園を歩いたほうがガヤガヤした繁華街を歩くよりその後の脳のパフォーマンスが高まったのですね。このように「自然が脳の注意力を回復させる!」という考えは「ART(注意回復理論)」と呼ばれています。
実験2
- 12人のミシガン大学生
- 実験➀と同じタスクをやってもらう
- 「自然」か「都会」の写真を何枚も眺めてもらう
- その後、改めて数字の逆唱テストを行う
- 後日、もう一方のジャンルの写真を眺めて同じ実験をしてもらう
今度は、自然の写真を眺めるだけでも集中力の回復は見られるのか?を調べたのですね。結果は次のようになりました。
結果
- 自然の写真を眺めたほうが、その後の認知テストの成績は良かった
ということで、写真を見るだけでも自然は脳の集中力を回復させる効果があるかもしれません。これについては、実際に最近の研究でも「バーチャルでも自然のリラックス効果は得られそう!」という結論が出ていたり。
赤羽(Akabane)
勉強や仕事の息抜きには「自然」を感じるに限りますね。
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大自然のリラックス効果はバーチャルでも得られるのか?参考文献&引用
#1 Marc G. Berman, John Jonides, Stephen Kaplan,”The Cognitive Benefits of Interacting With Nature“,Psychological Science,Vol.19,No.12,2008.