小説家の視点から見た「魅力的な科学論文の書き方17条」

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小説家の視点から見た「魅力的な科学論文の書き方17条」

小説家の視点から見た「魅力的な科学論文の書き方17条」

今回は「小説家の視点から見た良い科学論文の書き方17条とは?」というお話です。
 
 
早速ですが、2019年に科学雑誌『Nature(ネイチャー)』に掲載されたコラム(#1)を見ていきましょう。
 

小説家が教える「魅力的な科学論文の書き方17条」

これはアメリカの小説家コーマック・マッカーシー氏が紹介したもので、小説家の視点から見ると、科学論文を魅力的に仕上げるには重要な17のチップスがあるとのこと。
 
 
それではザっとその17条を見ていきましょう。

 

魅力的な科学論文の書き方17条
  1. 明確に書くにはミニマリズムを使うべし:「この句読点は必要か?この文章は?この単語は?」と常に余計なモノがないか自分に聞かせる。
  2. テーマを決めて読者に覚えておいて欲しいことは2~3つにまとめよ:テーマは一本の糸のように論文中を駆け巡って、段落や文、単語たちはそれを繋げる針仕事のようなもの。
  3. 各段落ごとにメッセージは1つまで:段落には1つだけメッセージを載せて、ここで本題に移るための問題提起「~なのか?」をするのが得策。
  4. 文章は短く簡潔にダイレクトに:「しかし」や「したがって」など切り替えの接続詞を上手く使ったり、なるべく一句を短くする。
  5. 読者の読むペースを落とさせるべからず:脚注が必要になるような専門用語や流行語などは避ける。また同じ言葉も繰り返し使わないこと。
  6. 細かく説明しすぎないこと:形容詞は必要な時にしか使わない。1つのセクションで同じことを3回違う表現で言わない。
  7. 本題から逸れた部分まで議論しようとする読者はスルー:本題から脱線した部分まで議論したがる読者は気にしなくてよい。執筆を愉しみましょう。
  8. 文法にはこだわりすぎず、話言葉がベター:伝わりやすい話し言葉や共通の言語を使った方が良い。
  9. カンマは休符として打つべし:カンマは前後の文章を分断するためのモノじゃなくて、読者が一旦間を置くもの。自分で読んでいて欲しい部分に打とう。
  10. ダッシュは最も大事なポイントを強調すべし:セミコロンに頼るとライティングの質が落ちるので、重要な点を強調するにはダッシュをイタリックや太字なしで使うのが良い。ビックリマークは使わず、代わりに「驚くべきことに」などの表現で代用する。
  11. 質問を差し込んで話言葉で問いかけよ:読み手は受け身だと能動的に考えることが難しい。そこで質問を差し込めば、読者を退屈させず頭を使わせることができる。
  12. 具体的な言葉や例をチョイスせよ:分かりにくい表現は避けて、具体的な表現や具体例を使う方が伝わりやすい。
  13. 方程式は文中に置かないこと:数学は英語と同じではないので、文とは切り離して考えたほうが良い。線や空白で分かり易く分離したり、文で数式の意味を補足するのもアリ。
  14. 完成したら音読するか友人に聴かせること:信頼できる友人や、ちゃんと時間を割いて聞いてくれる良い編集者をあたる方が良い。
  15. 提出したら、後は自分を信じるのみ:論文を雑誌編集者に出したら、返事が来るまではそれについて考えないこと。「例え全ての人間があなたを疑っても、自分を信じよ。ただし彼らにも疑いの余地があることは認めよ。」
  16. 雑誌編集者に正しい文法を指摘されたら従うこと:関係代名詞「that」と「which」の違い、みたいに細かい文法を指摘されたら、それはその雑誌のルールなので黙って従おう
  17. あなたから見てベストなバージョンを書こう:自分を最初の一番の読者だと見立てて、自分が読みながら刺激を貰える、楽しめる論文を書こう。
 

論文を書いている途中のライティングテクニックから、実際に雑誌編集者に提出するまで色々なチップスがありますね。
 
 
「俺には/私には関係ない話だな..」と思われるかもしれませんが、特にライティングに関するチップスは、学校での作文から本の執筆まで、基本「書くこと」すべてに当てはまるポイントです。
 
 
書き物をするときは、せめて「テーマを絞る」「無駄を省く」「句読点やダッシュは適切な場所に打つ」辺りだけでも意識するとよろしいかと思います。

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赤羽(Akabane)

学校の作文だと減点されるかもですが、「話言葉で書く」とかは読みやすくするのにかなり大事なんでは?と思っています。厳しい減点ルールや制約がないライティングであれば、この辺りも使ってみるとよさそうです。

作文の次はプレゼン!

参考文献&引用

#1 Van Savage & Pamela Yeh. Novelist Cormac McCarthy’s tips on how to write a great science paper. Nature International Journal of Science, 26 SEPTEMBER 2019.