赤羽(Akabane)
目次
米国運動評議会(ACE)の研究でわかった「部位別 背中の筋トレで効果的な種目」とは?
まずはザっと背中の筋肉たちをおさらい→本題という流れで見ていきます。
背中の筋肉は広背筋だけじゃない!
背中といえば「広背筋」がメジャーですが、実際は他にもたくさん部位があります。
例えば「僧帽筋(trapezius)」は肩をすくめるような動作で鍛えられる部位で、「広背筋(Latissimus dorsi)」は逆に胸を張って肩を下へ降ろす動作で鍛えられます。
他にも肩甲骨の基盤になる「ローテータカフ」の一部を担う「棘下筋(Infraspinatus)」や脊柱を支える「脊柱起立筋群(Erector spinae)」など、背中は本当に奥が深いです。
米国運動評議会が選ぶ!背中を鍛えるのに最も効果的な種目とは?
そして米国運動評議会(ACE)が発表した研究(#1)では、19名の筋トレ経験者男女(20~25歳)を対象に、背中の筋肉各部位に最も効くメニューはどれか?を調べてくれていました。
実験は2日で行われて、一日目は各参加者の1RM(ギリギリ1回挙げられる重量)などを測定して慣らしておいた様子。で二日目で計8種目の背中トレを1RMの70%で5レップずつ、ランダムに実践してもらうというものでした。
今回対象になった背中トレは以下のようなラインナップです。
- ラットプルダウン(LPD)
- シーテッドロウ(SR)
- ベントオーバーロウ(BOVR)
- インバーテッドロウ(IVR)
- プルアップ(順手懸垂)
- チンアップ(逆手懸垂)
- TRXロウ(TRXR)
- I-Y-Tレイズ(IYTR)
割と「背中トレと言えば!」な種目が網羅されていると思います。そして背中の各部位の筋肉の活動を筋電図で計測していったところ、こんな結果になったようです。
筋肉部位 | 最適案 | 二次案 | 効かない |
僧帽筋中部 | BOVR, IVR, SR, IYTR | なし | TRXR, 逆手&順手懸垂, LPD |
僧帽筋下部 | IYTR | BOVR | TRXR, 逆手&順手懸垂, LPD, IVR, SR, |
広背筋 | 逆手&順手懸垂 | BOVR, IVR, LPD, SR | TRXR, IYTR |
棘下筋 | BOVR, IYTR, IVR, 逆手&順手懸垂 | なし | TRXR, LPD, SR |
脊柱起立筋群 | BOVR | 逆手&順手懸垂, IVR, SR, IYTR | TRXR, LPD |
黒太字は特に効果が大きかったトレーニングになっていて、データの捉え方としては各部位の「最適案」をやっていけばよろしいかと思います。
当然ながら、各部位で結構効くトレーニングは分かれるようです。全体的にTRXロウの効き目が弱いのが気になりますが、この種目みたいに吊られて行うものには体のバランス全体を鍛える意味もあるので、一概に「使えない種目」とは言い切れません。(背中狙いなら優先度低いですが)
まとめ
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 何をやるか迷ったらとりあえず「ベントオーバーロウ」
- 2つ選ぶならプラスで「I-Y-Tレイズ」
- 広背筋を重点的に鍛えるなら「チンアップ」「プルアップ」
こんな感じでしょうか。背中の筋肉をバランスよく鍛えるには、3つ以上の部位で高い効果が出ていた上記のメニューを積極採用してみると良さそうです。
赤羽(Akabane)
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#1 the American Council on Exercise. ACE-SPONSORED RESEARCH: What Is the Best Back Exercise?. accessed on 2nd Oct 2019.