筋トレやスポーツのトレーニング法「ピリオダイゼーション」とは?基本の3種類と期間別の具体例も紹介!

筋トレやスポーツのトレーニング法「ピリオダイゼーション」とは?基本の3種類と期間別の具体例も紹介!

赤羽(Akabane)

今回は有名なトレーニング法「ピリオダイゼーション」についてのお話です。

筋トレやスポーツのトレーニング法「ピリオダイゼーション」とは?基本の3種類と期間別の具体例も紹介!

まずピリオダイゼーションって何?というところからおさらいしていって、そこから具体的な種類ややり方を見ていきましょう。

筋肉を負荷に慣れさせない緻密なトレーニングテク「ピリオダイゼーション」

ピリオダイゼーションとは、簡単に言うと「週や月の中でトレーニングの量(ボリューム)や強度を変えていくテクニック」のこと。

実際に具体例を挙げると、

週3回のトレーニング

  • 月曜日:3 × 18~20RM
  • 水曜日:3 × 8~10RM
  • 金曜日:3 × 13~15RM

こんな感じで、週の中で強度をその都度変えていったりします。ちなみに年単位で計画するピリオダイゼーションは「マクロサイクル」と呼ばれていて、月単位は「メソサイクル」週単位は「ミクロサイクル」という風に分類されていますね。

でこれが普通にメニューを組むよりも、神経系の負荷への慣れを防いで、頭打ちになった筋力アップを再加速させる!という仕組みです。他の目的としてはオーバートレーニングの防止や、アスリートの場合は本番に向けた調整の意味合いもあります。

ピリオダイゼーション3つのタイプ

では次にピリオダイゼーションの種類について。参考は2019年のレビュー研究(#1)で、大きく3つのタイプに分かれます。

線形ピリオダイゼーション

まず最も一般的なピリオダイゼーションから。「線形」というのは、最初は高ボリューム&低負荷で回数をこなしていって、数ヶ月スパンで徐々に低ボリューム&高負荷にシフトしていくことを指します。

ただ、「線形」という表現は誤解を招く!という主張(#2)もあって、ピリオダイゼーションはそもそも高負荷のフェーズで終わる組み方をするわけじゃなくて、色々なボリューム&負荷を期間ごとに回していくスタイルなのでちょっと違うぞ、と。この点は一応押さえておくと良さそう。

具体例

  • 基本はメソサイクル以上のスパンで月の中で変数を設定する
  • 1~2週目…量:3セット、負荷:8RM(8回ギリギリ挙がる重量)
  • 3週目…量:3セット、負荷:6RM(6回ギリギリ挙がる重量)
  • 4週目…量:3セット、負荷:4RM(4回ギリギリ挙がる重量)

逆線形ピリオダイゼーション

このタイプは簡単に言うと、「線形ピリオダイゼーション」の逆バージョンです。

つまり、最初は低ボリューム&高負荷から始めて、数ヶ月スパンで徐々に高ボリューム&低負荷にシフトしていく流れになります。

具体例

  • 基本はメソサイクル以上のスパンで月の中で変数を設定する
  • 1~2週目…量:3セット、負荷:4RM(4回ギリギリ挙がる重量)
  • 3週目…量:3セット、負荷:6RM(6回ギリギリ挙がる重量)
  • 4週目…量:3セット、負荷:8RM(8回ギリギリ挙がる重量)

非線形ピリオダイゼーション

最も研究されているピリオダイゼーションはこのタイプ。「非線形ピリオダイゼーション」は上記2タイプよりももっと頻繁に負荷の入れ替えを行います。負荷の期間は、早くて毎日変化したり、週ごとや隔週ごとのパターンもありますね。

ポイントは「線形ピリオダイゼーション」と共通点がある点で、非線形でも徐々に負荷を上げていくようにメニューが組まれることが多いんですね。ただ違うのは、そのサイクルを回すスパンで、線形はメソサイクル、非線形はミクロサイクル、といった感じ。

具体例

  • 基本はミクロサイクルで週の中で変数を設定する
  • 月曜日…量:3セット、負荷:6RM(6回ギリギリ挙がる重量)
  • 水曜日…量:3セット、負荷:8RM(8回ギリギリ挙がる重量)
  • 金曜日…量:3セット、負荷:4RM(4回ギリギリ挙がる重量)

まとめ

では最後に今回の内容をまとめます。

ポイント
  • ピリオダイゼーションは週や月の中でトレーニングの量や強度を変えていくテクニック
  • 大きく3種類あって、「線形」「逆線形」「非線形」に分かれる
  • 年単位、月単位、週単位というふうにスパンの見方はそれぞれ違う

この辺りを押さえておくと良さそうです。ピリオダイゼーションは結構緻密にトレーニング計画を練る場合が多いので、オーバートレーニング防止にもなって良いですよ。

赤羽(Akabane)

ピリオダイゼーションの具体的な効果について全体像を知っておきたい方は、以下も併せてご覧いただくとよろしいかと思います。

ピリオダイゼーションの効果についてはこちら

筋肉を負荷に慣れさせないトレーニング法「ピリオダイゼーション」は筋肥大に効果的なのか?筋肉を負荷に慣れさせないトレーニング法「ピリオダイゼーション」は筋肥大に効果的なのか?筋トレでボリュームや負荷を緻密に変える「ピリオダイゼーション」は筋力アップに効果的なのか?筋トレでボリュームや負荷を緻密に変える「ピリオダイゼーション」は筋力アップに効果的なのか?

参考文献&引用

#1 Jonathan W. Evans. Periodized Resistance Training for Enhancing Skeletal Muscle Hypertrophy and Strength: A Mini-Review. Front. Physiol., 23 January 2019.

#2 Stone, M. H., and Wathen, D. (2001). Letter to the editor. Strength Cond. J. 23, 7–9.