幼児や子どもの野菜嫌いを克服する最も効果的な戦略とは?

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幼児や子どもの野菜嫌いを克服する最も効果的な戦略とは?

幼児や子どもの野菜嫌いを克服する最も効果的な戦略とは?

今回は「幼児に野菜をちゃんと食べてもらうための戦略」についてのお話です。
 
 
早速ですが、最近大規模なまとめが出ていたので中身を覗いてみましょう。
 

9つの戦略を調べてわかった「幼児が嫌いな野菜を食べられるようになるための戦略」とは?

これは2018年にリーズ大学が発表したメタ分析(#1)で、テーマは「2〜5歳児に野菜を食べてもらうための戦略」というもの。計30件の研究から4017名の幼児(平均3.8歳)が対象になりました。
 
 
ではまず今回エントリーした9つの戦略をザッと見ていきましょう。

 

9つの戦略方針
  • チョイス:食べる野菜の選択肢を二択にして、どちらかを選ばせる
  • ペアリング(ステルス):好きな食べ物と一緒に野菜を食べたり、肉料理に混ぜたりする
  • 教育:栄養の大切さを子どもやその親御さんに教える、料理やガーデニング、テイスティングなどのアクティビティを体験する
  • フードサービス:野菜を入手しやすくしたり、量を増やしたり、先に食べさせたりする
  • モデリング:親御さんが野菜を食べる手本を見せたり、アニメで見せたりする
  • 報酬:おもちゃやシールなどご褒美をあげる
  • テイストエクスポージャー:何度も同じ野菜を試食する
  • バラエティ:単体で食べるか、まとめて食べるか、で決めさせる
  • ビジュアルプレゼンテーション:レストラン風に見た目を美味しそうにして野菜を提供する
 

割と一般的な戦略が多い印象ですね。実験の期間は最短でたった2回のペアリングを試したものもあれば、最長で8ヶ月の教育プログラムまでありました。
 
 
でこの結果、次のようなことが分かりました。

 

  • 全体の戦略で見ると、幼児の苦手な野菜克服に小〜中くらいの効果があった(g = 0.40)
  • テイストエクスポージャーが最も効果的だった(g = 0.57 vs. 教育 g = 0.26)
  • 実験は研究チームが取り行うより、親御さんが率先してやったほうが効果が高かった(g = 0.51)

 

どうやら、9つの戦略の中で一番効果があったのは「テイストエクスポージャー」だった様子。これは意外な結果ではないでしょうか。
 
 
ちなみにもう少し詳しく見てみると、

 

  • 野菜を味わう回数が増えるほど効果は高まった
  • 他の風味やディップ、油と混ぜるより、そのまま食べさせた方が効果は高まった
  • 野菜は元々好きなものより、嫌い/苦手なもので効果が高かった

 

こういったことも分かりました。つまり、下手に味を誤魔化すよりはそのまま何度か試食してみたほうが克服に繋がるよ!と。
 

注意点・まとめ

ただし今回の研究にも注意点もあって、

 

  • 出版バイアスがあるかも:未発表の関連研究で条件を満たすものも含めると、もう少し効果量が小さくなるかもしれない(g = 0.31, 95% CI, 0.208–0.41)
  • 実証研究が少ない戦略もあった:「チョイス」「ビジュアルプレゼンテーション」「バラエティ」辺りは1件しか研究がなかった

 

この辺りは押さえておくと良さそうです。効果はもう少し小さいかも、ということと、実証研究が少ないものはまだハッキリ効果が分からないよね、と。
 
 
では以上を踏まえて最後に今回の内容をまとめます。

 

ポイント
  • 2〜5歳の幼児に野菜を食べさせる効果的な戦略は「テイストエクスポージャー」
  • ドレッシングや油などで誤魔化さず、そのままのほうが良いかも
  • 少なくとも8〜10回のテイストエクスポージャーを試してみよう!
 

こんな感じでしょうか。最初は嫌がりそうなものですが、是非根気強く一度お試しください。

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赤羽(Akabane)

テイストエクスポージャーのように、ネガティブな対象に敢えて触れさせてみて、「実は思っているよりネガティブなモノではないんだよ」という認識を刷り込ませるのは「曝露療法」に似ていますね。こういった形でも効果を発揮するんだなぁ〜としみじみ。

参考文献&引用

#1 Chandani Nekitsing, Pam Blundell-Birtill, Jennie E.Cockroft, et al. Systematic review and meta-analysis of strategies to increase vegetable consumption in preschool children aged 2–5 years. Appetite Volume 127, 1 August 2018, Pages 138-154.