ネガティブ思考が止まらない人は脳の「あの機能」が弱い、というメタ分析

2019年3月29日CBT(認知行動療法), その他ストレス対策, ブログ運営者が考察してみた。, 人間心理

ネガティブな反芻思考はメンタルの病すべてに通ずる症状

当ブログではアンチエイジングの一環としてストレス対策について度々書いております。というのも、慢性的なストレスは体内に慢性炎症をもたらして老化を早めてしまうんですね。

そしてうつ病や不安症などメンタルにまつわる問題も、漏れなく炎症を起こしてエイジングを加速させてしまう原因の一つ。ここを何とか最小限に食い止めたい!というのがストレス対策の狙いです。

ということで今回はメンタルの病や問題について知ろう!という回ですが、まずは前提から。2008年の研究(#1)によると、どうやらメンタルの病には病名に拘わらず共通の特徴があるらしいんですが、それがコレ。

様々なメンタルの病を比較した結果、違いというよりもある共通点が見つかった-それが“ネガティブな反芻思考”である-

つまりネガティブな反芻思考はあらゆるメンタルの問題に関わる重大な要素なんですね。これを踏まえて本題に入ります。
 

 

ネガティブ反芻思考が止まらないのは脳のあの機能低下が原因かも

反芻思考 ネガティブ メンタル 脳

といったところで、今回は「じゃあネガティブな反芻思考ってどうやって起きているの?」という自然な疑問について少々。参考になるのが2018年にベルリン自由大学が発表したメタ分析(#2)で、内容はザっと以下の通りです。
 

  • 94件の研究を精査
  • 6698名が対象(平均25.32歳、1件あたり平均45名)
  • 以下のような項目を調べた
75件反芻思考、19件が心配性、16件が不要になった記憶をワーキングメモリから処理する力、15件が思考を切り替える力、13件が記憶の更新、31件が思考の遮断、19件がその他の認知能力を調査

 
心配性や反芻思考のようなメンタルの問題と、色々な認知能力との相関を調べてくれております。研究当たりのサンプル数が若干少ない点が気になりますが、結果はこんな感じに。

 

  • 全体的に認知能力は反芻思考と関係がなかった
  • ただし、不要な記憶をワーキングメモリから処理する認知能力とのみ相関が見られた(効果量:r = -0.20)
  • 性別、年齢、精神的病の治療有無、対象者のタイプ、診断内容といった他の要素は結果に影響を与えず

 

つまり、ネガティブな反芻思考をしてしまう人はある一点、不要な記憶を処理する力が弱かったということですね。確かに、反芻思考というのは本来ならそれ程重大でない記憶を掘り起こしてグルグル頭の中で回し続けるようなものですからね。

そして当研究者らはこんな風にまとめていました。

もしもしつこい反芻思考が要らない記憶の処理能力の欠落に因るモノだとしたら、長い目で見たときに、単に言葉による介入で反芻思考を止めようとするのでは不十分だ。代わりに、コンピュータを使ったトレーニングで情報処理能力アップを狙うほうが重要である。

どうやらこの手の実証研究は進んでいるようですが、ワーキングメモリーの情報処理に特化した調査はまだ実施されていない様子。このあたりの実際の効果は今後に期待ですね。

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赤羽(Akabane)

まとめると、繰り返しネガティブな考えがグルグル頭を回り続ける現象、これは脳の要らなくなった情報をメモリから処理する力が弱いのが原因かもしれません。

 

参考文献&引用

#1 Ehring, T., & Watkins, E. R. (2008).”Repetitive negative thinking as a transdiagnostic process.” International Journal of Cognitive Therapy, 1(3), 192-205.

#2 Zetsche U, Bürkner PC, Schulze L,”Shedding light on the association between repetitive negative thinking and deficits in cognitive control – A meta-analysis.“,Clin Psychol Rev. 2018 Jul;63:56-65.