赤羽(Akabane)
目次
困難や逆境には最強の宝具「レジリエンス」を持って立ち向かえ!
レジリエンスは、簡単に言うと「逆境や困難な経験から立ち直って適応する能力」のこと。これがストレス対策にも非常に大事になってくる!という話を前回しましたが、詳しくは記事最後のリンクからご覧ください。一旦先へ進みましょう。
「レジリエンス」を極めるには科学的信頼の厚いアレとアレが良いらしい
「レジリエンスを鍛えるには何をすればいいの?」ここからはこの問題にタックルしていきます。
参考になるのが2018年にニューサウスウェールズ大学教授らが発表したメタ分析(#1)で、論文の主題が「Road To Resilience(レジリエンスへの道)」という何ともイカした内容です。
概要をザっと見ていくと、こんな感じでした。
- 11件のRCT研究を精査
- 4件がCBT(認知行動療法)、2件がマインドフルネス、5件が両方のミックスでレジリエンス向上効果があるか?を調査
- 効果の差は“各トレーニンググループ” vs “ウェイトリストグループ(何もしない)”で対決
- 訓練は1回2時間のみのものから数回にわたって計28時間行うものまでいろいろ
簡単に言うと、当サイトでもおなじみの認知行動療法やマインドフルネスの訓練によってレジリエンスが鍛えられるか?をチェックしています。
そして結果はこんな感じになったようです。
全体
- 全体的に認知行動療法とマインドフルネスはレジリエンスを中程度アップさせた(効果量:0.44 (95% CI 0.23-0.64))
- 質の高い研究5件のみで再度効果を測定しても同じくらいの効果だった(効果量:0.50(95% CI 0.22-0.79))
各ジャンル毎
- ミックス..中程度の効果!(0.51 (95% CI 0.12-0.91))
- 認知行動療法..小程度の効果!(0.27 (95% CI 0.05-0.50))
- マインドフルネス..中程度の効果!(0.46 (95% CI 0.10-0.82))
- 6ヵ月間(今回の研究では長期)の訓練をした場合..認知行動療法、マインドフルネスともに中~大の効果が!
まとめると、認知行動療法もマインドフルネスも、またそのミックスでもレジリエンスは結構鍛えられる!と考えてよさそう。
とはいえ期間は長くても6ヵ月ですし、“結果のバラつき”もかなりみられるので、長期に安定した効果が得られるかどうかはまだ際どいところ。この点はそもそも、特にマインドフルネスは効果に個人差が出やすい傾向にあるので仕方がないですが。(個人のテクニックなどに左右されやすい)
赤羽(Akabane)
関連記事はこちらもどうぞ
![メンタル 認知行動療法 効果](https://everyday-evident.net/wp-content/uploads/2018/09/mental-health-2019924_640.jpg)
![【ACT、CFT、マインドフルネス..】定番のメンタル療法はセルフコンパッションに効果があるのか?](https://everyday-evident.net/wp-content/uploads/2019/09/20.jpg)
![【論文研究】たった2週間のセルフコンパッショントレーニングで自己肯定感がアップ、不安やうつ症状まで改善した?!](https://everyday-evident.net/wp-content/uploads/2019/09/668fbccfa1ffd3837c2846f6d8bb065a.jpg)
![あなたは自分に優しい?論文研究で一番使われているセルフコンパッション診断テスト「SCS 26問」をやってみよう](https://everyday-evident.net/wp-content/uploads/2019/09/ac3adde711ac263872eff0561645d815.jpg)
![たった12問!セルフコンパッション診断テスト短縮版「SCS-SF」をやってみよう!](https://everyday-evident.net/wp-content/uploads/2019/09/b6809d6abca0e93aaf124be18053d7dc.jpg)
![マインドフルネス](https://everyday-evident.net/wp-content/uploads/2019/01/balance-2745786_640.jpg)
参考文献&引用
#1 Joyce S, Shand F, Tighe J, Laurent SJ, Bryant RA, Harvey SB,”Road to resilience: a systematic review and meta-analysis of resilience training programmes and interventions.“,BMJ Open. 2018 Jun 14;8(6).