赤羽(Akabane)
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パートナーとの恋愛関係を満足させるための「ユーモア」とは?
早速ですが、参考になるのが2017年にカンザス大学が発表したメタ分析(#1)です。
恋人、配偶者..パートナーとの関係満足度を高める「ユーモア」をメタ分析!
これは1985~2016年の間に発表された39件の研究から、15,177名(平均34歳)を対象に、どんなタイプのユーモアがパートナーとの関係にどんな影響を与えるのか?を調べたもの。
まずは具体的なユーモアのタイプをそれぞれ見ていきましょう。大きく5つのカテゴリに分かれています。
関係性ポジティブ
- 関係型:パートナー間でユーモアが共有される度合い、意図して面白いことを求めたり一緒に笑いあえるような関係
- 評価型:人のユーモアセンスの質や能力、価値を判断する力
- 一般的ポジティブ:上記ポジティブタイプ全般を測定したもの
セルフポジティブ
- 生産型:ユーモアのあるコミュニケーションをとったり、ジョークや面白い話で盛り上げる能力
- 享受型:よく笑って、ジョークを好む、一般に言う良きオーディエンス
機能的ポジティブ
- 関係性型:恋愛関係において、口説くため、仲直りするため、関係を結ぶため、など何か目的を達成するために発揮するユーモア
- コーピング型:ストレス解消や緊張をほぐすため、という風に何かへの対処法としてのユーモア
機能的ネガティブ
- パートナー攻撃型:パートナーをけなしたりからかったりするときに使われるユーモア
- パートナー隔離型::パートナーとの距離を置くのに使われるユーモア、お互いの関係性について話す機会を拒否したり
セルフネガティブ
- 攻撃型:パートナーとの関係の中で他人をけなしたりからかったりするのに使われるユーモア
- 低俗型:下品だったり、不適切なユーモア
- 自虐型:自分を卑下するユーモア
ご覧のように、ここではユーモアが12種類に分けられています。ザックリとポジティブ/ネガティブ、自己完結/相互関係、機能的/コンテンツフリーといった感じ。
ではまずここから分かったことをザっと見ていきましょう。
- 6つの「ポジティブ」タイプはパートナーとの関係性満足度を高めた:生産型、享受型、関係型、評価型、一般的ポジティブ、コーピング型/li>
- パートナーとの関わりで生まれる「ポジティブ」タイプは特にパートナーとの関係満足度を高めた:関係型、評価型、一般的ポジティブ
- 4つの「ネガティブ」タイプはパートナーとの関係性満足度を下げた:パートナー隔離型、パートナー攻撃型、攻撃型、自虐型
- パートナーとの関わりで生まれる「ネガティブ」タイプは特にパートナーとの関係満足度を下げた:パートナー隔離型、パートナー攻撃型
ここは予想通り、ポジティブなユーモアのほうがパートナーとの関係性を善くするには良いですよ!という結果になりました。
どちらにしても、パートナーとの関わりあいの中で生まれるユーモアは影響力大みたいですね。
でもう少し詳しく見てみると、この研究では「パートナーのユーモアがもう一方の関係満足度とどのくらい関連しているか?」も調べてくれていました。こちらも結果を見てみましょう。
- 測定した7つのうち4つのユーモアがパートナーの関係満足度に影響していた
- パートナーの関係満足度を高める:生産型、関係型、コーピング型
- パートナーの関係満足度を下げる:攻撃型
全12項目までは調べられなかったようですが、少なくとも上の4つはパートナーの満足度に影響するみたい。生産型や関係型は直でパートナーとの関係を高めてくれそうですし、コーピング型は自身のメンタルが安定するので、これが間接的に相手との関係性の安定にも繋がりそうです。
注意点・まとめ
ただ幾つか注意点もあって、
- 年齢、人種、パートナーとの関係(恋人or結婚)、研究の出版年月などによって結果にバラつきが結構ある
- ユーモアの測り方はセルフレポートかパートナーからのレポート
- 同性愛も含めた研究は1件しかない
この辺りは押さえておくとよろしいかと思います。近年では同性愛を認める動きも高まっていますし、こちらの方面での研究も今後はどんどん出てきそうですね。
では最後に今回の内容をまとめます。
- パートナーとの関係満足度を高めるならやっぱりポジティブなユーモア
- 特に一緒に居て楽しい笑いを共有できるようなユーモアが良いらしい
- 逆に攻撃的だったり自虐といったネガティブユーモアは関係満足度を下げるかも>
ザックリこんな感じでしょうか。パートナーと居る時、自分がどんなユーモアを使う傾向があるか?普段から意識してみると思わぬ発見がありそうですね。
赤羽(Akabane)
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参考文献&引用
#1 Jeffrey A. Hall, Humor in romantic relationships: A meta‐analysis. Journal of The International Association for Relationship Research, Volume 24, Issue 2.June 2017.Pages 306-322.
※当記事はメンテナンス済みですが、2019年7月7日に公開された時点での内容となっておりますので、情報が古くなっている場合もあります。