赤羽(Akabane)
目次
世界62ヶ国の調査結果!人の日常は国や文化によって大して変わらないかもしれない
国によって過ごす環境はかなり違うので、やはり多くの人はこのように思うでしょうが、今回は「いや、案外そうでもないかもよ..?」という面白いデータを見ていきます。
世界62ヶ国・42の言語・1万5000人の調査結果
2020年にカリフォルニア大学リバーサイド校が発表した研究(#1)によると、私たち人間の日常風景は国や文化によって対して違わないぞ!ということが分かりました。
この研究は、42の言語・世界62ヶ国を舞台に15,318名分のデータを集めて、国や文化圏、人種も違う彼らが同時期にどんなことをしているのか?というのを調査したものです。このアイデアは「The World at 7:00」というプロジェクトのアップデート版でして、以前は20ヶ国のみを対象としていました。幸い、今回も日本は対象に含まれています。
調査データは、世界各国から集った研究者たちがそれぞれ各地でウェブ経由で集めた様子。調査の内容は、年齢や性別、性格などの基礎データに始まり、肝となる「昨日あったよく覚えている出来事について評価してもらう」という質問まで沢山用意されていました。
そしてこうした調査データの相関関係を分析したところ、以下のようなことが分かりました。
- 世界全体で、報告された「昨日あった出来事」は総じてポジティブなもので、他者との人間関係についての体験が多かった
- 国によって「昨日あった出来事」には確かに差があったが、僅かなものだった。むしろ同じ国の中での差も僅かに見られた
- 最も似通った国はアメリカとオーストラリアで、逆に最も似ていない国はウガンダとブルガリアの組み合わせだった
ここから言えるのは、国によって同時期に体験していることに大差はないということ。むしろ、同じ国の人たちの間で予想以上に内容に差が見られる、という面白いことも判明しています。
また過去の「The World at 7:00」で対象だった20ヶ国のみに注目すると、他国との類似性が平均して最も低いのは日本である!ということも判明。他には韓国もランクインしていることから、東アジアは割と生活様式が異質なのかな?なんて思ったり。
注意点・まとめ
ただし注意点として、参加者は全員大学生でした。これは、研究者らが情報源として各々の携わる大学を伝手にしていたためでして、幅広い年齢層からの回答は得られていないという問題点に繋がります。
これを踏まえると、今回の結果は対象が大学生だったからこうなったのでは?という可能性も否定できません。大学生のスケジュールは世界的に見てもさほど変わらないでしょうし..。(通学時間、放課後の友達とのディナーなど)
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 世界62ヶ国・42の言語・1万5000人の調査結果、私たち人間の日常風景は国や文化によって対して違わないということが判明
- 国によって「昨日の出来事」に大差はなく、むしろ同じ国の人の間でも僅かに内容に違いが見られた
- 前回の調査と照らし合わせると、日本は最も他国と類似性が低い国であることが判明した
赤羽(Akabane)
関連記事はこちらもどうぞ
![仕事 職業 デスクワーク 座り 健康 運動](https://everyday-evident.net/wp-content/uploads/2019/05/workplace-1245776_640.jpg)
参考文献&引用
#1 Daniel I. Lee, Gwendolyn Gardiner, Erica Baranski, et al. Situational Experience around the World: A Replication and Extension in 62 Countries. Journal of Personality, 2020; DOI: 10.1111/jopy.12558