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【新4種類】ダークトライアドにも共感力が備わった「ダークエンパス」が居るらしい

【新4種類】ダークトライアドにも共感力が備わった「ダークエンパス」が居るらしい

赤羽(Akabane)

今回は「ダークトライアドに共感力が備わった『ダークエンパス』」についてのお話です。

【新4種類】ダークトライアドにも共感力が備わった「ダークエンパス」が居るらしい

ダークトライアドと呼ばれる3つの性格があるわけです。これは、以下のような癖のある性格を指していまして、その内容ゆえにダーク(闇)なのですね。

  • マキャベリズム:(主に政治的活動で)目的の為にはそれが非道徳的でも手段を選ばない特性のこと。自分が果たしたい目的の為に、他人を操って利用したり出し抜くことに何も思わない。
  • ナルシシズム:自己愛傾向が強い特性で、いわゆる「自分大好き人間」のこと。権力や特権など自分を美しく飾るモノが好きで、優越感を感じやすかったり、自分のためなら他人を利用することもいとわない。
  • サイコパシー:他人への共感や罪の意識が欠けていて、無責任になりがちな特性。衝動的で、計画性がないことも特徴に挙げられる。この特性を持つ者は「サイコパス」と呼ばれる。

とはいえ、近年では「性格はもっと複雑なものだ!」と過度な単純化問題が指摘されていて、個人的にも、ヤバいなと感じた人を何でも「サイコパスだ!」みたいに押し込めようとする気運はよろしくないなと感じます。

というわけで、この記事では「ダークトライアドにも共感力が高い『ダークエンパス』が居るのでは?」という面白い研究データを共有します。

人はダークトライアドと共感力によって更に4種類に分けられる!という研究結果

2020年にノッティンガム・トレント大学が発表した研究(#1)の結論では、人はダークトライアドと共感力の高さによって更に4種類に分かれる!という面白いことが分かりました。

この研究は、991名を対象に、彼らのダークトライアド気質や認知的・感情的共感力、その他の性質に関する調査データを集めて、その相関関係を調べたものです。
*ダークトライアド気質は定番の「SD3」でまとめて測定したり、それぞれの性格に特化したツールでもチェックした

ここで言う認知的共感力と感情的共感力というのは、ザっと以下のような分類になります。

  • 認知的共感力…他人の視点に立って考えたり、他人の心情を理解する能力
  • 感情的共感力…他人の心境や立たされている状況に寄り添って、同じ気持ちになったりできる能力

要は、ひと口に”共感力”と言っても、理解・共感という風にその領域が違うんだということです。「その気持ちは理解こそするけど共感はできないな~」なんて言いますが、この場合だと認知的共感力の方が働いていると言えます。

そして調査と分析の結果、共感力の高さによって以下の4つのサブタイプが浮上したようです。

結果
  • ダークトライアドタイプ…ダークトライアド気質が高く、共感力が低い(13%、128名)
  • 典型タイプ…ダークトライアド気質が低く、並みの共感力(34.4%、331名)
  • ダークエンパスタイプ…ダークトライアド気質が高く、共感力も高い(19.3%、175名)
  • エンパスタイプ…ダークトライアド気質が低く、共感力が高い(33.3%、357名)

つまり、従来型の「共感力が低い」ダークトライアドは確かにいるけれど、「共感力が高い」タイプも一定数居るのではないか?と。ここでは、そんな人たちを「ダークエンパス(Dark Empath)」と名付けています。

ダークトライアドと共感力による分類で分かった他の調査結果を見てみる

また、この研究ではダークトライアドや共感力以外にも年齢や性別、ビッグ5性格診断や攻撃性、メンタルヘルスなどの項目も調べていて、これらも絡めると以下のようなことも判明したようです。

  • ダークトライアドやダークエンパスは男性に多かった
  • 協調性は低い方からダークトライアド→ダークエンパス→典型→エンパスの順だった。外向性はダークエンパスで最も高く、典型やエンパスと比べると有意な差だった。神経症性はダークエンパスやエンパスで高い傾向が見られた
  • ダークトライアドはダークエンパスよりも「他人の利用・搾取」の特色が強く、逆にダークエンパスはダークトライアドより「誇大さ」の特色が強かった
  • ダークトライアドはダークエンパスよりも不安感が高く、社会的なプレッシャーや親密な人間関係が低い傾向が見られたが、こうした差は有意なものではなかった

男性で多かったり、協調性が低かったりと、全体的にこれまでの研究結果と一致しているような感じですが、ダークエンパスは「誇大さ」傾向が強いというのは意外な結果ですね。

注意点・まとめ

今回の注意点としては、ざっと以下の点は押さえておくとよろしいかと。

注意
  • データの精度は低め: 過去のオンラインでの調査データから相関関係を見ているだけなので、要素間の因果関係は特定できない
  • サンプルが若者~中年くらいに偏っている: 平均年齢で20~30代となっており、子どもや高齢者などは対象に含まれていない
  • 性別での細かい違いについては調査できていない: 例えば、男性でダークトライアド・ダークエンパスは多いが、その中でも具体的にどんな特性が強い傾向にあるのか?といった部分までは分からない

ダークトライアドに関しては、性別で大きく内容が異なることが分かっているので、尚更詳しいところの追試が必要でしょう。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 人はダークトライアドと共感力の高さによって更に4種類に分けられる!ということが判明
  • 従来型の共感力が低いダークトライアドとは他に、共感力が備わった「ダークエンパス」に当てはまる人が一定数居ることが分かった
  • ダークエンパスはダークトライアドよりはマシな協調性を兼ね備えており、外向性や神経症性も高く、他人を利用したり搾取する性質は弱い一方で、尊大な態度を取る傾向があるみたいだ

赤羽(Akabane)

ダークエンパスは、もしかするとダークトライアドのネガティブな面を持たず、武器になる面だけ多く兼ね備えた「良いこと取り」なタイプなのかもしれませんね。ちなみに、今回の研究を主導したナジャ氏は、過去に当サイトでも取り上げた以下の研究にも携わっています。

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参考文献&引用

#1 Nadja Heym, et al., The Dark Empath: Characterising dark traits in the presence of empathy. Personality and Individual Differences, https://doi.org/10.1016/j.paid.2020.110172