ダークトライアドの相関図が一目でわかる「ダーク・キューブ」とは？

赤羽(Akabane)

今回は「ダークトライアドの相関関係」についてのお話です。

ダークトライアドの相関図が一目でわかる「ダーク・キューブ」とは？

ではまずダークトライアドって何？というところからザっとおさらいしていきましょう。(ご存知の方は読み飛ばし可)

ダークトライアドとは？

これは闇属性の性格をまとめた総称で、次の3つの性格特性を指します。

マキャベリズム：(主に政治的活動で)目的の為にはそれが非道徳的でも手段を選ばない特性のこと。自分が果たしたい目的の為に、他人を操って利用したり出し抜くことに何も思わない。

ナルシシズム：自己愛傾向が強い特性で、いわゆる「自分大好き人間」のこと。権力や特権など自分を美しく飾るモノが好きで、優越感を感じやすかったり、自分のためなら他人を利用することもいとわない。

サイコパシー：他人への共感や罪の意識が欠けていて、無責任になりがちな特性。衝動的で、計画性がないことも特徴に挙げられる。この特性を持つ者は「サイコパス」と呼ばれる。

こうした特徴は社会的にみても嫌われたり煙たがられることがほとんどで、だから「ダークトライアド(闇の三竦み)」と呼ばれています。

ただこれら三属性にも複雑な相関関係があったり、状況によって特性が表に表れなかったりするので、診断テストに当てはまったからと言って簡単に決めつけてはいけない！といった声もあります。

では次に、ダークトライアドの相関関係を示した「ダーク・キューブ」について見ていきましょう。

ダークトライアドの相関関係を立方体で表した「ダーク・キューブ」

この概念が最初に提唱されたのは2016年にスウェーデンの教授が発表した研究(#1)で、複雑なダークトライアドの相関関係をキューブ状の図形でまとめてくれています。

図はザっとこんな感じです。

(#1)を参考に筆者作成。

見方としては、まずナルシシズム度で立方体の上面の4点か、下面の4点かを絞っていきます。そこからマキャベリズム度とサイコパシー度を組み合わせて4点のうちどこに位置するか？を決めていく流れになります。

全部低いと「協調性が高い人」になって、逆に全部高いと「邪悪な心」になりますね。

他の性格との相関関係は？

ではダーク・キューブでトライアドの相関関係を組み合わせてみた時、他の性格との相関はどうなるんでしょう？同研究者の2017年の研究(#2)も併せて見てみると、ザっとこんな感じでした。

結果

ダークトライアドの三属性が低い程、協調性は高くなる傾向があった
サイコパシー&マキャベリズム度が同時に高いと自己コントロール能力が、共感力、協調性などが特に低い傾向が見られた
ナルシシズム度が高いと外向性も高い傾向が見られた
サイコパシー度が高いと協調性は低い傾向が見られた
その他、一属性と性格特性との相関は、残りの二属性のレベルが高いか？低いか？に影響を受けていた

ここから言えるのは、ダークトライアドの特性も一つの属性だけピックアップしてあれこれ言うのは無理があるということ。パッと見ても、お互いが複雑に影響し合っていることがよくわかりますね。

5つ目の項目の例としては、高いマキャベリズムと高い神経症性の相関はナルシシズム度とサイコパシー度が同時に低い時だけ見られた！とか、高いナルシシズムと高い勤勉性(誠実性)はマキャベリズム度とサイコパシー度も同時に高い時だけ見られた！などが挙げられます。これはちょっと複雑ですね..(笑)