「時は金なり」で自己中な性格に?!本当に大切な”時間”との向き合い方とは?

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時間vsお金 どちらのほうが大事?

よく「時は金なり(Time is Money)」とは言ったものですが、実際にどちらが大事かは人の考え方によって変わってくるもの。例えば、こんな風に…。

時間を重視したいからお金をがっぽり稼いで時間を買う!(掃除の時短のためにルンバに投資する、とか)
お金重視で節約にたっぷり時間をかける!(タイムセールのタイミングを虎視眈々と狙い続ける)

この辺りは各々の育った環境や価値観、その時の状況なんかによりけりかと思いますね。

ちなみに個人的に感銘を受けた名著『「幸せをお金で買う」5つの授業』の著者らは、読む限り“時間派”の立場をとっているように見受けます。

「時は金なり」の考え方は人を自己中にする

といったところで、今回は「時は金なり」の考え方ってどうなの?というところを調べてみました。参考にするのは2018年に発表されたレビュー研究(#1)でして、時間に対する考え方で幸福度はどう変わるのか?を調べてくれています。ザっと要点を抜き出しますと、この研究から以下のようなことがわかりました。

結果
  • “お金より時間派”のほうが人生満足度が高く、ネガティブ感情に囚われにくかった
  • “お金より時間派”はより向社会的行動をとりやすくなり、ボランティア活動に力を注いでいた
  • 「時は金なり」と考えると自己中心的になり社会的交流やボランティアが減る

ザっと見ただけでも、“お金より時間”と考えたほうがメンタルにも人間関係的にもよさそうですね。そして「時は金なり(時間はお金のようなものだ)」と考えるのは精神的に余裕がなくなるので良く無さそう。

特にアルバイトの人は注意が必要で、時給制で働いていると「時は金なり」の考えに陥りやすかったのだとか。例えば「この1分間で○○円稼いだぞ!」「あぁ、時間を無駄にした…今の1時間バイトしてりゃ1000円稼げたのに」みたいに合理的に考えすぎるパターン、この手の考え方はまさにそれかと。

・お金を優先→沢山稼いでも「もっと!」と考えてしまう。上限がなく、上を目指すほど満足できない。
・時間を優先→時間は同じペースで平等に流れる。限りある時間をどう活用しようか?を考えるように。

(#1)より引用。

では時間についてどんな風に考えるのが良いのか?

では、時間についてはどんな風に考えるのがベストなのでしょう?一応当研究では次のように仰っていました。

人は彼らが最も価値を置くものに時間を費やしているとき、最も幸福を感じるのかもしれない。実際に、毎日の決断において各々の性格にピッタリあった決定ができたときに人は幸せを感じることがわかっている。例えば内向的な人は、バーで飲むのにお金と時間を使うよりも本を買った時のほうが幸せだろう。こんな風に、お金を優先することは必ずしも悪影響ではないのかもしれない。というより私たちの幸せは、私たちが価値を置くものと実際の行動が一致した時にこそ増幅されるものだろう。[筆者訳]

つまるところ、大事なのは結局“自分が大事だと思うことに時間やお金を注げているかどうか”だということですね。これには共感せざるを得ません。

赤羽(Akabane)

結論として、「時は金なり」の考え方はメンタルによろしくなく、人間関係にもヒビを入れてしまいそう。ただ、時間とお金に対する考え方で最も大事なのは、「自分が価値を置くものにちゃんとそれらを注げているのか?」というところ。一度就職をしてから本当に目指していた夢に立ち返る、みたいなことがよく起こるのも、人間が幸福を求める本来の形なのかもしれません。

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参考文献&引用

#1 AliceLee-Yoon,Ashley VWhillans,”Making seconds count: when valuing time promotes subjective well-being“,Current Opinion in Psychology,Volume 26, May 2018, Pages 54-57.