今回は「筋トレの効果を最大限まで高めるたんぱく質のベストな摂取量」についてのお話です。
目次
【効率良くデカくなる】筋トレの効果を最大限引き出すたんぱく質のベストな摂取量とは?【プロテインの飲み方】
トレイニーの間で必ず話題にのぼるのがたんぱく質(プロテイン)の話ですが、このプロテインの話一つとっても、筋トレマニアたちにかかれば、ザっとこんな議論を戦わせることができます。
- プロテインの摂取源:ホエイ、カゼイン、ソイ、ピーなど
- プロテインの摂取量:多ければ多い方がイイ!いや2.2g/kg/日以上は意味ない!
- プロテインの摂取タイミング:筋トレ前後1時間以内がイイ!いやタイミングはあんまり関係ない!
タイミングについては、当サイトでも過去に「プロテインのタイミングはあんまり関係ない!結局飲む量のほうが大事!」という話をしていますので、こちらについて詳しくは以下をご覧いただければと思います。
そしてこの記事では、筋トレの効果を最大限引き出すたんぱく質の摂取量について、近年出ていた科学の見解を見ていきます。
プロテインを飲む「タイミング」は筋力アップと筋肥大に関係ないと判明した件。【アナボリック・ウィンドウ】
ひとまずたんぱく質はこれだけ摂ろう!筋トレの効果を最大化する一日摂取量とは
2018年にマクマスター大学が発表したメタ分析(#1)がこの疑問にアプローチしてくれていて、どうやら一日当たり平均1.62g/kg(1.03~2.2g/kg)が最適なようです。
この研究では、49件の研究から1863人を対象に、プロテインを飲むvs.比較グループで筋トレ後の効果を比較しています。参加者らがこなした筋トレは週3が大多数(週2~5回)で、実験期間は6~52週間で行われました。
詳しい中身
-1種目で平均4セット(1~12セット)
-1セット平均9レップ(3~25回)
-プロテインはホエイが大多数、ソイ、カゼイン、ピーやミルクを使った研究も少々。
-プロテインの1日当たり摂取量4~106g(36̟±30g)
-特に筋トレ後にはプロテイン5~44gが摂られた(24±11g)
今回含まれる大半の研究はホエイプロテインでたんぱく質を補給しているので、普段の食事+ホエイで筋トレの成果が上がるか見ている、と言った方がより正確ですね。
そして結果はというと、以下のようになりました。
- プロテインも飲んだグループのほうが筋力がアップした(1RM:+2.49kg)
- 除脂肪体重が増えた(+0.30kg)
- 筋肉量が増えた(筋繊維横断面積:+310µm2,太もも周り:+7.2mm2)
どうやらプロテイン摂取で軒並み筋トレの成果が高かった模様。ちなみにこうした筋肉量アップ効果は高齢より若い人のほうがより見られ、もっと言うと筋トレ経験者のほうが効果は高かったとのこと。この辺りは納得ではないでしょうか。
そしてもう一つ面白いことがわかっておりまして、上で挙げた効果はプロテイン摂取量が増えるほど高くなっていったのですが、一日当たり平均1.62g/kg(1.03~2.2g/kg)を超えるとその先は効果が変わらなかったのだとか。つまり体重が60kgの人に例えると、プロテインを一日97.2g摂るのがベストで、それ以上摂っても効果は変わらないということですね。これは面白い。
赤羽(Akabane)
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#1 Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, Schoenfeld BJ, Henselmans M, Helms E, Aragon AA, Devries MC, Banfield L, Krieger JW, Phillips SM,”A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults“,Br J Sports Med. 2018 Mar;52(6):376-384.
#2 Brad Jon Schoenfeld, Alan Albert Aragon, James W Krieger,”The effect of protein timing on muscle strength and hypertrophy: a mete-analysis“,Journal of the International Society of Sports Nutrition,Vol.10,2013.