赤羽(Akabane)
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トマトとオリーブオイルは最強の組み合わせ?!生トマトやトマトソース単体と比較した結果..
早速ですが、この件についての面白い研究を見ていきましょう。
トマトはオリーブオイルと一緒に食べるべし?リコピンの力を引き出す食べ方
これは2016年にバルセロナ大学が発表したクロスオーバー試験(#1)で、40名の男女(平均28歳)を対象に、トマトの食べ合わせによる食後の循環器疾患リスク指標の数値を調べたもの。
具体的には、まず参加者らに次の4パターンの食べ合わせをしてもらったようです。
- 生トマト:7.0g/体重kg分食べる
- トマトソース:3.5g//体重kg分飲む
- トマトソース×精製オリーブオイル:3.5g/体重kg分飲む
- 砂糖水:0.25g/体重kg分飲む
ちなみに、それぞれの食べ合わせの間には3日間の期間が設けられました。(前の食べ合わせの影響を消すため)
で各パターンの食前と食後6時間で血液サンプルを採取して、循環器疾患リスクに影響する要素の数値を測定したんですね。
すると結果、まずトマトを飲食したパターン全般で砂糖水よりも高い改善効果が得られました。そして詳しく見ていくと、次のようなことが分かりました。
- 血漿の総コレステロール値(↓)
- 血漿の善玉コレステロール値(↑)
- 中性脂肪(トリグリセライド)(↓)
- その他炎症サイトカイン(↓)
- 総コレステロール値が最も減少した(−9.03 mg/dL)
- 善玉コレステロール値が最も増えた(+2.36 mg/dL)
- 総コレ/善玉コレ比が最も減少した(−0.28 mg/dL)
- IL-6(インターロイキン6)や可溶性VCAM-1などの炎症サイトカインが有意に減少した
ここから言えるのは、トマトは循環器疾患リスクの要素を改善する働きがあって、オリーブオイルと一緒に混ぜたり料理したほうが効果がアップするという事。
ではどうしてこんな結果になったのでしょう?考えられる要因の一つは、トマトを健康たらしめている成分の一つ「リコピン」が脂溶性で熱に強いからだというもの。つまりオリーブの油と合わさることで吸収されやすくなって、その分効果を引き出せているんではないか、と。
注意点・まとめ
ただ注意が必要なのは、指標によってトマトソースのほうが改善レベルが高い場合もあったりする点。例えば、悪玉コレステロールや中性脂肪の改善値は「トマトソース」で最も大きかったり。
また、参加者の健康状態も良好だったので、この結果が循環器疾患リスクが高い人でも同じように得られるか?もハッキリしません。(個人的には、今回よりも高い改善効果が得られるんでは?と思っている)
では最後に今回の内容をまとめます。
- トマトはコレ値全般や中性脂肪、その他炎症サイトカインなど循環器疾患リスクにかかる数値を改善してくれる
- 総合的に見ると、トマト×オリーブオイルが最強だった
- 長期的な効果や疾患リスクが高い人の効果はもうちょっと違ってくるかもしれない
この辺りを押さえておくとよろしいかと思います。トマトを食べる時はオリーブ!ですね。
赤羽(Akabane)
私も家でよく飲んでいます

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参考文献&引用
#1 Palmira Valderas-Martinez, Gemma Chiva-Blanch, Rosa Casas, et al. Tomato Sauce Enriched with Olive Oil Exerts Greater Effects on Cardiovascular Disease Risk Factors than Raw Tomato and Tomato Sauce: A Randomized Trial. Nutrients 2016, 8(3), 170;