赤羽(Akabane)
目次
子どもの頃に友達が多いかどうかは関係ない?大人になってからメンタルが安定する人にはこんな特徴があった
早速ですが、このテーマについて面白いデータが出ていたので見ていきましょう。
青少年時代のリア充度は大人になってからのメンタルの安定に影響する?
これは2019年にヴァージニア大学が発表した研究(#1)で、169名男女を対象に、青少年時代の友達関係の深さと広さは大人になってからのメンタルヘルスや価値観とどう関係しているか?を調べたもの。
ザックリした内容は、まず彼らが15歳と16歳時点でのデータを集めて、それから10年後、25歳時点でのデータを集めて、2つのデータでどんな傾向が読み取れるか?という感じです。
具体的に、ここでは友達関係の質や量(深さと広さ)についてのインタビューと、不安・うつ症状、自己効力感などの精神状態も同時にチェックしたようです。しかも「この子が親友です」と答えたその親友の元に行って、対象者を親友だと思っているか?といったところまで確認済みとのこと。
するとこの結果、次のようなことが分かりました。
- 15歳時点で友達関係の広さを優先すると答えた人は、その後成人してからの社会不安度が高かった
- 15歳時点で友達関係の質や繋がりが高かったと答えた人は、その後成人してからの自己効力感が高く、不安やうつ症状も減っていた
まとめると、青少年時代に友達が沢山居るのを好んだ人はその後のメンタルヘルスが不安定だったのに対して、質や繋がりが強かった人はメンタルが安定していたんですね。
では深い友情で結ばれた仲は、どのようにしてメリットをもたらしてくれるんでしょうか?詳しくみてみると、
- 親密な友人関係は15歳→16歳での友人関係の安定性に繋がっていた
- こうした繋がりが長期的なメンタルヘルスの安定にも繋がっていた
こうした傾向があったみたい。つまり、青少年時代の親密な友情はその後も長く続いて、これによってメンタルの安定が得られるのかもしれない、と。
注意点・まとめ
ただし注意点も幾つかあって、
- 因果関係は特定できない:RCTではないので因果関係は特定できず、あくまで今回の結果は相関関係ということになる
- 他の要素も大いに影響する:確かに「青少年期の親密な友人関係」はその後のメンタルヘルスの安定に関わるようだが、その程度は小~中くらいで、他にも色々な要素が影響するのは間違いない
- 今回の結果が一般化できるかはハッキリしない:参加者は一般市民で特にうつ病や不安症などの疾患にかかっていたわけではなかった。こうした患者の場合にも当てはまるか?はハッキリしない
この辺りは押さえておくと良さそうです。あくまで傾向として、10代の頃は友達の質を大切にしたほうが良いんかなぁ~くらいに捉えておく感じでしょうか。
赤羽(Akabane)
関連記事はこちらをどうぞ
ただの知り合いから「仲の良い友達」になるまでにはどのくらいの時間が必要なのか?親友になるには…【リア友 vs ネッ友】どちらのほうが健全な人間関係なのか?Facebookの友達が多いと幸せになれるのか?問題【友達量より質論争】孤独を打ち破るには友達の量よりも「質」が大切らしいぞ参考文献&引用
#1 Rachel K. Narr Joseph P. Allen Joseph S. Tan Emily L. Loeb. Close Friendship Strength and Broader Peer Group Desirability as Differential Predictors of Adult Mental Health. Child Development, January/February 2019, Volume 90, Number 1, Pages 298–313.
#2 Hyland P, Shevlin M, Cloitre M, et al. Quality not quantity: loneliness subtypes, psychological trauma, and mental health in the US adult population. Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol. 2018 Oct 6.