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加工食品が世界に蔓延している
加工食品はアンチエイジングの大敵!というのは近年では定説になっております。ところが一方で、加工食品たちが世界的にかなり台頭してきているのも事実でして、
- アメリカを舞台に、2007~2012年の間で、23847人の子どもから大人までの食事内容を最低1回以上調査したところ、全体で総カロリーの60%以上が加工食品から摂取されていた!(#1)
このような報告が他にも世界的に報告されているんですね。ちなみに「加工食品って具体的にどんなもの?」という点については、
- ファストフード類
- お菓子・スナック類
- ジュース、清涼飲料水
こうした食品群が含まれます。現代では、すっかりこうした加工食品がメインの食事スタイルに切り替わってしまっているので、日頃から注意!であります。
「さて、そろそろ加工食品の定義をハッキリさせようか」カリフォルニア大学教授が提唱する『加工食品11箇条』加工食品の頂点「超加工食品」はちょっとずつ食べるだけでもやばいかも…?
といったところで、今回は加工食品の中でも「超加工食品」には要注意ですぞ!というお話を。
これは2019年にパリ13大学が発表した研究(#2)で、フランスに住む44551名(平均56.7歳)を対象に、超加工食品の摂取と早死にの相関を調べたもの。
調査期間は中央値で7.1年とまあまあ長いので、早死にリスクを見るのにも十分な期間。そしてこの間に602名が亡くなりまして、結果はどうだったかというと、
- 超加工食品からの摂取カロリーが10%増えると早死にリスクが14%高まった!
ということが判明。ちなみに「そもそも超加工食品ってどんなもの?」という点は、「添加物や着色料などがたくさん入っていて、すぐ食べられる、熱加工された食品」という定義になります。ちょっと緩いですが、原材料がぱっと見わからないお菓子なんかは超加工食品ですね。
そして更に詳しく結果を見ていくと、
- 若い人
- 低収入
- 低学歴
- 一人暮らし
- BMIが高い
- 運動不足
こうした条件の人は超加工食品を口にする割合が多かったのだそう。加工食品は安く手に入りますし、調理も不要なものが多いんでこの辺りは納得かと。
注意点・まとめ
とここまで聞くと「超加工食品やばい!」と思ってしまうんですが、注意点もありまして、
- 食事の内容は最初の2年間で計3日分のデータまでしか調査されてない
- 最初の2年間で起こった死を除外すると統計的に優位なリスクは出なかった
- フランス在住の人たちしか対象にしていない
この辺りは押さえておいた方が良さそうです。つまり食事の調査と死亡率の数値は正確さに欠ける、と。なんせ食事のスタイルがずっと一緒とは限らないですし、最初の段階で亡くなった方たちはもともと疾患を抱えていた可能性もありますので。
ただやはり、塩分や砂糖、トランス脂肪酸がたっぷりな加工食品が生活習慣病のリスクを高めるのは間違いないんで、少ないに越した事はないですね。
赤羽(Akabane)
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#1 Larissa Galastri Baraldi,Euridice Martinez Steele,Daniela Silva Canella,Carlos Augusto Monteiro,”Consumption of ultra-processed foods and associated sociodemographic factors in the USA between 2007 and 2012: evidence from a nationally representative cross-sectional study“,BMJ Open. 2018; 8(3): e020574.
#2 Laure Schnabel; Emmanuelle Kesse-Guyot; Benjamin Allès et al,”Association Between Ultraprocessed Food Consumption and Risk of Mortality Among Middle-aged Adults in France“,JAMA Intern Med. 2019;179(4):490-498.