赤羽(Akabane)
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室内ワーカーの9割はビタミンD不足?!
参考になるのが、2017年に発表された系統的レビュー(#1)。これは71件の研究から53345人を調べたもの。
でここから分かった結論は、室内ワーカーの約90%がビタミンD不足だったという事実だったのですね。
ではどうしてこんなことになったのでしょう?原因は、室内にいることが大きいです。というのも、一日に合成されるビタミンDの90%は太陽の光を受けて肌で合成している(#2)からです。食べ物からも摂取できるんですが、その割合は段違い。日頃から適度に日光を浴びることは非常に重要なんですね。
もう少し研究を詳しく見てみると、実際に職業別にどのくらいビタミンDが足りていないのか?を出してくれていまして、その結果は、
- インドアワーカーのおよそ90%がビタミンD不足or欠乏だった
- アウトドアワーカーは対して75%が不足or欠乏だった
- シフトワーカーの80%がビタミンD欠乏
- ヘルスケアの学生の72%がビタミンD欠乏
- 医療系の学生の65%がビタミンD欠乏
- その他、ヘルスケアに従事するナースや専門医でも40%ほどがビタミンD欠乏
とのこと。見たところ、現代に生きる大多数の人はビタミンDが足りてない!と言っても過言ではない様子です。ヘルスケアに従事する人たちでさえ、ビタミンD不足にはケアが行き届いてないというのも面白いですね。
ちなみに、上記の結果では「不足」と「欠乏」で微妙に表現を使い分けているのですが、次のような区別があります。
- ビタミンD欠乏は血清25-(OH)D < 50nmol/Lを指し、ビタミンD不足は50nmol/L < 血清25-(OH)D < 75nmol/Lを指す。
簡単に言うと、ビタミンD欠乏のほうが深刻で、体内のビタミンDが少なすぎるぞ!ということです。
赤羽(Akabane)
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#1 Sowah D, Fan X, Dennett L, Hagtvedt R, Straube S,”Vitamin D levels and deficiency with different occupations: a systematic review“,BMC Public Health,17(1):519,2017.
#2 Holick MF. “Vitamin D deficiency.” N Engl J Med. 2007;357(3):266–281.