赤羽(Akabane)
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【図解】筋トレの効果を高める必携サプリ「クレアチン」とは?代謝の経路や材料までを解説
早速ですが、2018年にペンシルベニア州立大学の医療学校が発表したレビュー研究(#1)を参考に、クレアチンについて細かく見ていきましょう。
クレアチンとは?
クレアチンは、3種類のアミノ酸で構成されている窒素有機化合物で、体内ではほとんどが骨格筋に存在している物質です。
体重が70㎏の若い男性であれば、平均で120~140g程度のクレアチン貯蓄があると言われていて、筋肉量なんかで個人差があります。
食事からの主な摂取源は、牛乳や肉類、魚などでしょうか。動物性食品に豊富で、植物にはほとんど含まれません。
では次に、クレアチンが3つのアミノ酸を材料にどんな経路で出来るのか?ザックリした流れを見ていきましょう。
クレアチンが体内で出来るまで~肝臓や腎臓での代謝を添えて~
さっきも触れましたが、クレアチンは非必須アミノ酸の「アルギニン」「グリシン」と必須アミノ酸「メチオニン」から構成される物質です。
体内で作られる経緯は、ザっとこんな感じになります。
腎臓で、まず非必須アミノ酸の2つが代謝して「グアニジノ酢酸」という物質を作ります。
でこれが肝臓に運ばれて、メチオニンが活性化した「S-アデノシルメチオニン」とフュージョンすると、クレアチンが完成するという流れです。
では最後にクレアチンが筋トレで重宝されるのはどうしてなのか?という点を見ていきましょう。
クレアチンは何故筋トレに必要なのか?
この疑問は、筋肉がエネルギーを使って力を発揮する時の仕組みで説明できます。
高校の生物の授業で触れると思いますが、我々の体は「アデノシン三リン酸(ATP)」という物質が代謝される過程で生まれるエネルギーを使って動いています。つまり、激しい運動をするには体内にたくさんのATPを蓄えておかなきゃいけないわけです。
ただ蓄えておけるATPには限りがあるので、どうしても「再合成」という経路を上手に活用していかなければいけません。そこでこの経路の一つ「ATP-クレアチンリン酸系」を回すのに欠かせないのがクレアチンなんですね。
この経路では、安静時にはクレアチンを「クレアチンリン酸」という物質に変換して貯蓄しています。
でいざ筋トレや高強度の運動で大量のエネルギーを消費する際には、即席のエネルギーを作り出すために「クレアチンリン酸」が引き出されます。
簡単に言うと、クレアチンリン酸の代謝によって、再びエネルギー(ATP)を合成して使うことが可能になる、と。貯めておいたお金(クレアチンリン酸)と引き換えにお菓子(ATP)を買う、みたいなイメージでしょうか(笑)
こうしたクレアチンを引き換えにエネルギーを得る経路は、他の経路と比べてもエネルギーの変換が素早いのが特長です。こうした理由から、筋トレやスプリントなど一気に大量のエネルギーを使うトレーニングではクレアチンがかなり重宝されます。
まとめ
では最後に今回の内容をまとめて一気見しましょう。
- クレアチンは3つのアミノ酸から構成される窒素有機化合物
- ほとんどが骨格筋に存在していて、筋肉がエネルギーを使って力を発揮するのに欠かせない物質
- 特に筋トレやスプリントなど無酸素で急激なエネルギー消費があるスポーツで活躍するかも
この辺りは押さえておくとよろしいかと思います。クレアチンについては、ネットで調べても案外広く深く書いているサイトが少ないので、改めて図解してみました。
赤羽(Akabane)
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#1 Butts J, Jacobs B, Silvis M. Creatine Use in Sports. Sports Health. 2018 Jan/Feb;10(1):31-34.