プチ断食がカロリー制限よりダイエットに効果的な理由

プチ断食, 体の仕組み, 考察編

プチ断食がカロリー制限よりダイエットに効果的な理由

プチ断食がカロリー制限よりダイエットに効果的な理由

今回は「プチ断食がカロリー制限よりもダイエットに効果的な理由」についてのお話です。
 
 
まずは前提の「プチ断食とは?カロリー制限とは?」というところからおさらいしておきましょう。
 

プチ断食とカロリー制限の違いとは?

まずプチ断食ですが、これは食事タイムと断食タイムを交互に回していくスタイルです。普通の断食は24時間を超えて絶食するのが基本なのに対して、プチ断食では大体が24時間以内の断食タイムを設けています。
 
 
例えば私も実践している「リーンゲインズ」というプチ断食では、一日のうち8時間を食事タイムとして、残りの16時間は断食タイムに設定するルールになっています。私の場合は、昼の12時~夜8時までを食事タイム、睡眠を挟んで残り16時間が断食タイム、といった感じにしています。
 
 
ちなみにプチ断食の定義は非常にザックリしていて、断食タイムに500kcalくらいまでのカロリー摂取が許されるパターンや、水やお茶だけで過ごすストイックなパターンもありますね。
 
 
一方でカロリー制限は、継続的に一日の体重維持に必要なカロリー量を下回って食事を続けるスタイルです。プチ断食との違いは、間にガッツリ食べる時間を設けるかどうか、という点でしょうか。
 
 
では次に、この違いを踏まえてプチ断食がカロリー制限より痩せるのに効果的な理由を見ていきましょう。
 

プチ断食がカロリー制限より優れている科学的な理由と実際の研究結果

この問題について参考になるのが、2019年に西オーストラリア大学が発表したレビュー研究(#1)で、プチ断食とカロリー制限の体への影響の違いを分かり易く説明してくれています。
 
 
ここでは大きく3つの観点から、プチ断食がカロリー制限よりダイエットに効果的な理由を見ていきます。
 

プチ断食はエネルギー収支の適応を防ぐ

カロリー制限をすると、体のあらゆる代謝や熱エネルギー産生が下がります。これはカロリー摂取量が減ることで起こる「エネルギー収支のバランス崩壊」を建て直す為で、ザっと図のような適応が起こります。

 

プチ断食がカロリー制限よりダイエットに効果的な理由
(#1)を参考に筆者作成。
 

この適応によって、バランスを取り戻した後は当然カロリー支出(消費量)が減るので、段々痩せにくくなっていきます。よく言う「高原状態」ですね。
 
 
一方でプチ断食は、こうした代謝や熱産生の適応を弱めてくれる効果が確認されています。特に「安静時エネルギー支出(REE)」の低下を抑えながらダイエット効果を発揮してくれる点は有難くて、REEは一日の総エネルギー支出の60~75%を占めると言われています。
 
 
つまりこの低下を抑えられれば、一日の代謝もある程度保ちながら痩せられるんではないか?と考えられるんですね。
 

プチ断食はホルモンバランスを調整する

また、カロリー制限の影響は色々なホルモンにも及びます。代表的なのが甲状腺ホルモンや食欲ホルモンのレプチン、グレリンなどです。
 
 
具体的にカロリー制限の各ホルモンへの影響を書き出してみると、こんな感じです。

 

  • 甲状腺ホルモン分泌:減少する。結果として、体脂肪増加と筋肉量低下に繋がる(#2)
  • レプチン:減少する。結果として、満腹感を感じにくくなって食べ過ぎに繋がる(#3)
  • グレリン:増加する。結果として、空腹感を増大させてしまい食欲が止まらず食べ過ぎに繋がる(#4)

 

まとめると、各ホルモンへの影響によって、カロリー制限はかえって食欲を暴走させたり、体脂肪が減りにくくしたりする可能性が考えられる、ということです。つまりカロリー制限は、代謝の他にホルモンの変化によっても「高原状態」を作り出してしまうんですね。
 
 
一方でプチ断食では、甲状腺ホルモンやレプチンを一時的に増やせるかもしれません。現に短い時間でもガッツリ食べる期間を設けてあげることで、レプチンや甲状腺ホルモンが一時的に増加する(#5, #6)ことが分かっています。
 
 
つまり、この結果として一日のエネルギー支出を高めたり、食欲の暴走を防ぐことが出来るんだ、と。
 

プチ断食は精神的にも楽かもしれない

最後は「どちらが長続きするか?」というポイントです。結局、ダイエットは長く楽に続けられるに越したことはないので..(笑)
 
 
でこの点で言うと、プチ断食もカロリー制限も大差はない!というのが現状です。一応、過去11件の研究をまとめたメタ分析(#7)を見てみると、プチ断食の脱落率が2~38%で、カロリー制限は0~50%だったようです。
 
 
個人的には、食事タイムでレプチンが一時的に増えて食欲の暴走が減ることも見込むと、精神的にはプチ断食の方が楽なんじゃないかな?と思っています。
 

注意点・まとめ

ただしプチ断食の研究全体では注意点や課題も結構あって、

 

  • 研究ごとにプチ断食のプログラムがバラバラ:プチ断食の定義自体曖昧で、種類も沢山あるうえに、同じ種類でも微妙にやり方が違ったりするおかげで、研究間で結果がめちゃくちゃバラつく
  • 各研究のサンプル数は少ない:サンプル数が統計的なパワーを発揮するのに不十分であれば、結果の信頼性もグンと下がる

 

この辺りは押さえておくとよろしいかと思います。近年では研究がかなり進んだほうで、結構メタ分析も出てきていますが、まだ上手くまとまり切れていない印象が拭えませんね..。
 
 
ということで以上も踏まえて、今回のまとめといきましょう。

 

ポイント
  • プチ断食はカロリー制限よりダイエットに効果的かもしれない
  • 理由は、カロリーを減らすことで起こる代謝の低下を和らげたり、ホルモンバランスを調整したり、精神的にも続けるのが楽かもしれないから
  • プチ断食の効果は種類や細かいやり方で結構変わってくるので、その点は意識すべし!
 

こんな感じでしょうか。結局ダイエットは長期戦なので、長く楽に続けられる方に軍配が上がりそうですね。

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赤羽(Akabane)

私もプチ断食は今年で2年目ですが、慣れると非常に快適です。毎日カロリーを減らす意識で過ごすのは精神的に疲れそうですし、個人的にはこっちの方が良いかなと思います。実際に、体型も体脂肪9~13%の丁度いいラインをずっとキープ出来ていますよ。

プチ断食についてはこちらもどうぞ

カロリー制限でリバウンドする理由はこちらをどうぞ

参考文献&引用

#1 Peos JJ, Norton LE, Helms ER, et al. Intermittent Dieting: Theoretical Considerations for the Athlete. Sports (Basel). 2019 Jan; 7(1): 22.

#2 Sainsbury A, Zhang L. Role of the hypothalamus in the neuroendocrine regulation of body weight and composition during energy deficit. Obes Rev. 2012 Mar;13(3):234-57.

#3 Mäestu J, Eliakim A, Jürimäe J, Valter I, Jürimäe T. Anabolic and catabolic hormones and energy balance of the male bodybuilders during the preparation for the competition. J Strength Cond Res. 2010 Apr; 24(4):1074-81.

#4 Labayen I, Ortega FB, Ruiz JR, Lasa A, Simón E, Margareto J. Role of baseline leptin and ghrelin levels on body weight and fat mass changes after an energy-restricted diet intervention in obese women: effects on energy metabolism. J Clin Endocrinol Metab. 2011 Jun; 96(6):E996-1000.

#5 Chin-Chance C, Polonsky KS, Schoeller DA. Twenty-four-hour leptin levels respond to cumulative short-term energy imbalance and predict subsequent intake. J Clin Endocrinol Metab. 2000 Aug; 85(8):2685-91.

#6 Douyon L, Schteingart DE. Effect of obesity and starvation on thyroid hormone, growth hormone, and cortisol secretion. Endocrinol Metab Clin North Am. 2002 Mar; 31(1):173-89.

#7 Iolanda Cioffi, Andrea Evangelista, Valentina Ponzo, et al. Intermittent versus continuous energy restriction on weight loss and cardiometabolic outcomes: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. J Transl Med. 2018; 16: 371.