赤羽(Akabane)
目次
「メタ認知」の意味とは?勉強やスポーツの成績を効率的に伸ばすための活用法
早速メタ認知って何?という疑問について図と一緒に見ていきましょう。
メタ認知とは?
メタ認知はよく「思考を思考すること」だと言われます。これをイラストイメージで表すとこんな感じでしょうか。
某アニメのキャラクターよろしく「もう一人のボク」的な視点から、自分自身の考えていること自体を思考する、と。これによって、自分のことを客観的に見れたり、感情や思考の流れを把握して冷静になれたり、あらゆるメリットが見込めるんですね。
でこのメタ認知を習慣づけるのによく言われるのが、「自分に問いかける癖をつけること」です。一番シンプルな問いだと、
といった感じ。わざわざこんなことをする理由は、自問することで、今の自分の思考を観察するように意識を向けられるからです。
では次に、学校のクラスや競技の練習なんかで使われる「メタ認知的学習」というものもチェックしておきましょう。
教育の場でよく使われる「メタ認知的学習」
「メタ認知的学習」は教育の場でよく使われる、生徒にメタ認知の習慣をつけさせつつ学習効率を上げる方法です。例に挙げると、ザっと次のようなステップ(#1)を踏んでいきます。
メタ認知的学習の4ステップ
- プレアセスメント(現在の思考に気づかせる):まずはメタ認知の基本として、「思考を思考する」を徹底する。例えば新しいテーマについて習う前に「今のところこのテーマについて自分は何をどこまで知っているんだろう?」と自問してみたり。
- ミッドポイント(どこが分からないかを明確にする):クラスの最中に、生徒が分からないところがないか?をこまめにチェックする。例えばクラスの最後に「今回の授業でどこを一番難しいと感じた?」といった具合に、生徒たちの理解度を確認する機会を設けたり。
- ポストアセスメント(トピックに対する理解の変化に気づかせる):クラス後に「今回のテーマについて受講前はどう考えていた?そして今はどんな風に考えが変わった?」という風にクラスを受ける前後で思考に変化がないか?を確認する。
- リフレクティブジャーナル(思考をモニターする場を提供する):テストの後などに、「今回のテストの反省点と今後のテストに向けた改善策」みたいなメタ認知の場を与える。これによって、テストの結果を点数などで漠然と解釈するのではなく、今回は何がまずかったか?次は何をすればいいのか?がハッキリしてくる。
ここから全体を通して言えるのは、生徒にその場で過去、現在、未来に関する思考をしっかり観察させているということ。授業の前後で、テーマトピックへの理解度を振り返ってもらったり。テストがあれば、今回の反省点と今後やるべきことを振り返ってもらったり。
さっきも書きましたが、メタ認知の肝はやはり「自分に問いかける」という作業ですね。これだけでも「自分は今何を考えているんだろう?」というのが随分明確になります。
まとめ
では最後に今回の内容をまとめます。
- メタ認知は「思考を思考すること」
- 肝は常に「自分に問いかける」こと
- メリットは自分を客観視できたり冷静に感情の変化に対処できること、学習の場でも効率アップが見込めること
こんな感じでしょうか。メタ認知は勉強やスポーツなどの上達にはもちろん、自分自身の気持ちや感情の機微に気づくのにも役立つので、習得しておいて損はないかと。
赤羽(Akabane)
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#1 Kimberly D. Tanner. Promoting Student Metacognition. CBE Life Sci Educ. 2012 Summer; 11(2): 113–120.
#2 Amy Siegesmund. Using self-assessment to develop metacognition and self-regulated learners. FEMS Microbiology Letters, Volume 364, Issue 11, June 2017, fnx096.