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「ポジティブ思考」「引き寄せの法則」だけでは夢は叶えられない
自己啓発で有名な「引き寄せの法則」、多くの人が推奨している「ポジティブ思考」など色々ありますが、これらは常に正しいとは限りません。(引き寄せの法則は論外..?)
実際に、「ポジティブ思考もいきすぎると目標達成の邪魔になるぞ!」という研究もたくさんあります。祈っていれば夢は自然と引き寄せられる、みたいなスーパーポジティブ(というよりのん気?)は現実には邪魔でしかないのですね。となると、どんな方法が目標達成、ひいては夢を叶えるのにベストなのか?その一つを紹介します。
メンタルコントラスティングを応用した「WOOP」で確実に目標を達成する
2017年のニューヨーク大学のガブリエルエッティンゲン博士らの研究(#1)によると、目標達成には「WOOP」という手順を使えばかなり効果があるようです。簡単にいうと、以下のようなステップで進めていくと効果的みたいです。
2段階目までは割とやったことがある場合が多いでしょう。目標を立てて、それが叶った瞬間を想像して気持ちよくなる。ここまでで一応モチベーションは一時的に上がりますが、ここで終わってしまうと、先ほども紹介したように「いきすぎたポジティブ思考は目標達成の邪魔になる」っていう報告もあったりして、なかなか目標達成まで辿り着けません。
そこで3段階目です。今度はいったん現実的になって、目標達成の障害になるものを考えてみます。ポイントは、自分でどうにかコントロールできる障害を挙げてみることです。例えば上の筋トレの例なら、帰宅してからスマホをダラ見して時間を無駄にしちゃう、とかですね。
そして4段階目。自分でコントロールできそうな障害をどうやって乗り越えていくかをPlan(計画)します。ここで活躍するのが「If-Thenプランニング」という科学的に有効とされている目標達成方法です。もしAという障害に遭遇したら、Bという行動を取る!と予め決めておくんですね。
実際に研究でも「効果アリ」の太鼓判。
WOOPの効果を検証した研究(#1)では、次のような実験をしました。
- 36人の男女が対象
- 勉学の目標に向けて、一か月それぞれ勉強に励んでもらう
- 参加者をランダムに2つのグループに分類
- WOOPで目標達成グループ
- フツーに目標を立てるグループ
勉強の目標に対するアプローチの仕方で、どのくらい勤勉さ(勉強時間)に差が出るのかを調べたのですね。結果は次のようになりました。
- WOOPグループ、平均勉強時間4.3時間
- フツーのグループ、平均勉強時間1.5時間
- 実験直後の週にも勉強を継続してる率はWOOPグループが3倍以上高かった
なんとWOOPを使ったグループは平均3時間ほど多く勉強してしました。参加者数が少ないとはいえかなり優位な差です。この他にもエッティンゲン博士らが発表した幾つかの研究で、WOOPが有効であるという結論が出ています。
赤羽(Akabane)
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#1 Daniel Saddawi-Konefka,Keith Baker,Anthony Guarino,Sara M. Burns,Gabriele Oettingen,Peter M. Gollwitzer,Jonathan E. Charnin,”Changing Resident Physician Studying Behaviors:A Randomized, Comparative Effectiveness Trial of Goal Setting Versus Use of WOOP“,Journal of Graduate Medical Education,Vol.9,No.4,2017.